広範偽腔開存型慢性B型大動脈解離に対する胸部ステントグラフト内挿術の治療成績

【目的】DeBakey 3b型,広範偽腔開存型慢性B型大動脈解離に対する胸部ステントグラフト内挿術(以下,TEVAR)の至適手術時期を明らかにするために,その治療成績と大動脈のリモデリングを検討した.【方法】慢性B型大動脈解離に対してTEVARを施行した12例を対象とし,手術時期が発症3カ月から1年未満を慢性早期群(5例),発症後1年以降を慢性後期群(7例)とし,術後CTの経時的変化から評価した.【結果】両群ともに術後対麻痺,脳梗塞,在院死亡を認めず,全例で胸部下行大動脈偽腔の血栓化と偽腔径の経時的縮小,胸部下行大動脈径の減少を認め,慢性早期群と慢性後期群との間で大動脈のリモデリングに差を認め...

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Veröffentlicht in:日本血管外科学会雑誌 2018/08/05, Vol.27(4), pp.281-287
Hauptverfasser: 藤岡, 俊一郎, 入澤, 友輔, 宝来, 哲也, 保坂, 茂
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:【目的】DeBakey 3b型,広範偽腔開存型慢性B型大動脈解離に対する胸部ステントグラフト内挿術(以下,TEVAR)の至適手術時期を明らかにするために,その治療成績と大動脈のリモデリングを検討した.【方法】慢性B型大動脈解離に対してTEVARを施行した12例を対象とし,手術時期が発症3カ月から1年未満を慢性早期群(5例),発症後1年以降を慢性後期群(7例)とし,術後CTの経時的変化から評価した.【結果】両群ともに術後対麻痺,脳梗塞,在院死亡を認めず,全例で胸部下行大動脈偽腔の血栓化と偽腔径の経時的縮小,胸部下行大動脈径の減少を認め,慢性早期群と慢性後期群との間で大動脈のリモデリングに差を認めなかった.【結論】慢性B型大動脈解離に対してTEVARを行い,良好な中期成績およびaortic remodelingを得た.発症から1年以上経過した慢性後期群においてもTEVARは有用な治療戦略と考える.
ISSN:0918-6778
1881-767X
DOI:10.11401/jsvs.18-00048