重症下肢虚血の診断・分類—その歴史的変遷
糖尿病時代の到来によって,重症下肢虚血の診断は,循環障害(大小血管障害),易感染性に加え,時として合併する神経障害とそれによる変形や乾燥などの影響を受けて複雑化しており,目の前の患者の足病の病態を的確に理解するのは容易ではなくなっている.血行再建,感染に対するドレナージなど,タイミングを逸すると大きな組織欠損を余儀なくされるため,足病の治療を専門的に行う医療者だけでなく,初療を行う医療者にもわかりやすい分類,診断基準が求められる.そうした中にあって,米国血管外科学会から足病をwound, ischemia, infectionの3方向から診断するWIfI分類が提唱され,最新のガイドラインでその...
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Veröffentlicht in: | 日本血管外科学会雑誌 2018/06/05, Vol.27(3), pp.187-195 |
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1. Verfasser: | |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 糖尿病時代の到来によって,重症下肢虚血の診断は,循環障害(大小血管障害),易感染性に加え,時として合併する神経障害とそれによる変形や乾燥などの影響を受けて複雑化しており,目の前の患者の足病の病態を的確に理解するのは容易ではなくなっている.血行再建,感染に対するドレナージなど,タイミングを逸すると大きな組織欠損を余儀なくされるため,足病の治療を専門的に行う医療者だけでなく,初療を行う医療者にもわかりやすい分類,診断基準が求められる.そうした中にあって,米国血管外科学会から足病をwound, ischemia, infectionの3方向から診断するWIfI分類が提唱され,最新のガイドラインでその適用が推奨されている.治療方針やその順番の決定に加え,治療後の適切な管理を行ってゆくうえで,血管専門医は勿論のこと,足病に関わる他診療科や多職種にも同じ基準が受け入れられて,普及し,WIfI分類が診療科や施設を超えて共通言語として用いられることが期待される. |
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ISSN: | 0918-6778 1881-767X |
DOI: | 10.11401/jsvs.18-00045 |