両側腎動脈まで病変が及んだLeriche症候群の1例
Leriche症候群は腎動脈分岐部以下の腹部大動脈から両側総腸骨動脈にかけての慢性閉塞に伴う一連の疾患群であり,病変が腎動脈より中枢にまで及ぶことはまれである.今回両側腎動脈に病変が及んだLeriche症候群を経験したので報告する.症例は36歳男性.2012年頃より間欠性跛行が出現.2013年12月より難治性の高血圧を指摘された.血液検査にて各種自己抗体を認め,CT上,腹部大動脈は上腸間膜動脈分岐直後より高度に狭窄し,右腎動脈分岐部から総腸骨動脈にかけて閉塞.右腎動脈の閉塞,左腎動脈の高度狭窄を伴っていた.手術は上腸間膜動脈直下で大動脈を遮断し腎動脈分岐部末梢で離断した.血栓を除去し,腎動脈下...
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Veröffentlicht in: | 日本血管外科学会雑誌 2017/11/30, Vol.26(6), pp.291-294 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | Leriche症候群は腎動脈分岐部以下の腹部大動脈から両側総腸骨動脈にかけての慢性閉塞に伴う一連の疾患群であり,病変が腎動脈より中枢にまで及ぶことはまれである.今回両側腎動脈に病変が及んだLeriche症候群を経験したので報告する.症例は36歳男性.2012年頃より間欠性跛行が出現.2013年12月より難治性の高血圧を指摘された.血液検査にて各種自己抗体を認め,CT上,腹部大動脈は上腸間膜動脈分岐直後より高度に狭窄し,右腎動脈分岐部から総腸骨動脈にかけて閉塞.右腎動脈の閉塞,左腎動脈の高度狭窄を伴っていた.手術は上腸間膜動脈直下で大動脈を遮断し腎動脈分岐部末梢で離断した.血栓を除去し,腎動脈下でY型人工血管置換術を行った.術後,間欠性跛行,高血圧はともに改善した.病理所見から血栓性閉塞が疑われ,抗リン脂質抗体症候群の関与が考えられた. |
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ISSN: | 0918-6778 1881-767X |
DOI: | 10.11401/jsvs.17-00059 |