内腸骨動脈瘤により坐骨神経痛を生じた症例の治療経験

われわれは坐骨神経痛が唯一の主訴であった右内腸骨動脈瘤を経験したので報告する.症例は74歳女性,右下肢痛を主訴に来院した.整形外科にてMRI施行し,椎間板の突出や椎体の移動,脊柱管狭窄を認めず,坐骨神経障害が疑われた.CTでそれぞれ最大短径50 mm, 54 mmの腎動脈下腹部大動脈瘤,右内腸骨動脈瘤が認められた.人工血管置換術後,右下肢痛は完全に消失した.術前の症状は内腸骨動脈瘤の神経圧迫が原因と考えられた.高齢者の坐骨神経痛を認めた場合,内腸骨動脈瘤の可能性も念頭において治療することが重要であると考えられた....

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Veröffentlicht in:日本血管外科学会雑誌 2017/01/18, Vol.26(1), pp.5-8
Hauptverfasser: 安東, 悟央, 須野, 賢一郎, 佐藤, 一義, 本橋, 雅壽, 石原, 和明
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Zusammenfassung:われわれは坐骨神経痛が唯一の主訴であった右内腸骨動脈瘤を経験したので報告する.症例は74歳女性,右下肢痛を主訴に来院した.整形外科にてMRI施行し,椎間板の突出や椎体の移動,脊柱管狭窄を認めず,坐骨神経障害が疑われた.CTでそれぞれ最大短径50 mm, 54 mmの腎動脈下腹部大動脈瘤,右内腸骨動脈瘤が認められた.人工血管置換術後,右下肢痛は完全に消失した.術前の症状は内腸骨動脈瘤の神経圧迫が原因と考えられた.高齢者の坐骨神経痛を認めた場合,内腸骨動脈瘤の可能性も念頭において治療することが重要であると考えられた.
ISSN:0918-6778
1881-767X
DOI:10.11401/jsvs.16-00065