上腕動脈塞栓症の原因となった腋窩動脈瘤の1 例

要旨:腋窩動脈瘤は比較的稀な疾患である.症例は47 歳の男性.運動中に右前腕のしびれが出現した.2 週間後当科紹介受診.右鎖骨下に径4 cm の拍動性腫瘤を認めた.右橈骨・尺骨動脈の拍動を触知せず,右手関節の血圧は70 mmHg で体血圧との比は0.54 であった.造影CT で右腋窩動脈第1~2 部分に,径35×33×50 mm で内部に壁在血栓を伴う紡錘形の動脈瘤を認めた.右上腕動脈は末梢で閉塞していた.瘤の破裂と塞栓症再発の可能性があるため手術適応とした.全身麻酔下,三角胸筋アプローチで瘤を露出し,リングサポート付き8 mm ePTFE グラフトで置換した.手術時に右上腕動脈は再開通してい...

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Veröffentlicht in:日本血管外科学会雑誌 2015, Vol.24(7), pp.987-990
Hauptverfasser: 寒川, 顕冶, 神野, 禎次, 大朏, 祐治
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:要旨:腋窩動脈瘤は比較的稀な疾患である.症例は47 歳の男性.運動中に右前腕のしびれが出現した.2 週間後当科紹介受診.右鎖骨下に径4 cm の拍動性腫瘤を認めた.右橈骨・尺骨動脈の拍動を触知せず,右手関節の血圧は70 mmHg で体血圧との比は0.54 であった.造影CT で右腋窩動脈第1~2 部分に,径35×33×50 mm で内部に壁在血栓を伴う紡錘形の動脈瘤を認めた.右上腕動脈は末梢で閉塞していた.瘤の破裂と塞栓症再発の可能性があるため手術適応とした.全身麻酔下,三角胸筋アプローチで瘤を露出し,リングサポート付き8 mm ePTFE グラフトで置換した.手術時に右上腕動脈は再開通していた.病理所見では中膜平滑筋層の消失を認めたが,動脈硬化の所見はなかった.術後4 年を経過しグラフトは開存している.
ISSN:0918-6778
1881-767X
DOI:10.11401/jsvs.15-00081