広範囲胸部大動脈瘤に対する一期的ハイブリッド治療の1 例

要旨:症例は82 歳,男性.胸部CT にて,遠位弓部大動脈に80 mm 大,胸部下行に75 mm 大の動脈瘤を認め,左胸水貯留あり.胸部大動脈瘤の切迫破裂の疑いにて手術適応と判断.高齢で耐術能が低いこと,二期的手術は待機中の動脈瘤破裂の危険性があること,腹部大動脈以下のアクセスが不良で逆行性TEVAR が困難であるあることを考慮し,全弓部置換+ オープンステント+ 順行性TEVAR という一期的ハイブリッド治療を選択.手術は胸骨正中切開,低体温循環停止,選択的脳分離使用下にオープンステントを併用した全弓部置換を施行.その後,体外循環離脱の後に,4 分枝管の側枝より順行性TEVAR を施行.術後...

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Veröffentlicht in:日本血管外科学会雑誌 2015, Vol.24(7), pp.975-979
Hauptverfasser: 諸隈, 宏之, 蒲原, 啓司, 内野, 宗徳, 田中, 厚寿, 古川, 浩二郎, 森田, 茂樹
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:要旨:症例は82 歳,男性.胸部CT にて,遠位弓部大動脈に80 mm 大,胸部下行に75 mm 大の動脈瘤を認め,左胸水貯留あり.胸部大動脈瘤の切迫破裂の疑いにて手術適応と判断.高齢で耐術能が低いこと,二期的手術は待機中の動脈瘤破裂の危険性があること,腹部大動脈以下のアクセスが不良で逆行性TEVAR が困難であるあることを考慮し,全弓部置換+ オープンステント+ 順行性TEVAR という一期的ハイブリッド治療を選択.手術は胸骨正中切開,低体温循環停止,選択的脳分離使用下にオープンステントを併用した全弓部置換を施行.その後,体外循環離脱の後に,4 分枝管の側枝より順行性TEVAR を施行.術後合併症.高齢者の広範囲胸部大動脈瘤に対して,手術侵襲を抑えた一期的治療を行い良好な結果を得た.その際に,腹部大動脈以下のアクセスに問題のある本症例において,4 分枝管の側枝からの順行性TEVAR は有用であった.
ISSN:0918-6778
1881-767X
DOI:10.11401/jsvs.15-00041