右鼠径部にダクロン人工血管断裂による非吻合部仮性瘤を呈した1 症例

要旨:症例は62 歳男性,20 年前に腹部大動脈瘤に対し人工血管置換術を施行された.人工血管の中枢側は腹部大動脈に,人工血管の左脚は左総腸骨動脈にそれぞれ端々で吻合され,右総腸骨動脈は閉鎖されており,右総大腿動脈に人工血管の右脚が端側で吻合されていた.外傷の既往はなく,自覚症状もなかった.2 年前から人工血管右脚の非吻合部に仮性瘤を生じ,拡大傾向にあるため人工血管置換術を施行した.まれではあるが,鼠径部などの可動領域に人工血管が留置され,術後,長期間が経過した症例では非吻合部でも仮性瘤を形成することがあり,注意を要する....

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Veröffentlicht in:日本血管外科学会雑誌 2015, Vol.24(6), pp.875-878
Hauptverfasser: 鈴木, 伸章, 伊東, 和雄, 福井, 康三
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:要旨:症例は62 歳男性,20 年前に腹部大動脈瘤に対し人工血管置換術を施行された.人工血管の中枢側は腹部大動脈に,人工血管の左脚は左総腸骨動脈にそれぞれ端々で吻合され,右総腸骨動脈は閉鎖されており,右総大腿動脈に人工血管の右脚が端側で吻合されていた.外傷の既往はなく,自覚症状もなかった.2 年前から人工血管右脚の非吻合部に仮性瘤を生じ,拡大傾向にあるため人工血管置換術を施行した.まれではあるが,鼠径部などの可動領域に人工血管が留置され,術後,長期間が経過した症例では非吻合部でも仮性瘤を形成することがあり,注意を要する.
ISSN:0918-6778
1881-767X
DOI:10.11401/jsvs.15-00026