両側外腸骨動脈へlanding させるEVAR における内腸骨動脈への処置

要旨:【目的】両側腸骨動脈瘤合併症例に対する腹部ステントグラフト内挿術(EVAR)において, 一側内腸骨動脈再建群(外腸-内腸骨動脈バイパス術併用)と両側内腸骨動脈塞栓群(両側内腸骨動脈コイル塞栓術併用)を比較検討した.【方法】2008 年6 月から2013 年3 月までに両側腸骨動脈瘤合併腹部動脈瘤に対してEVAR を施行した21 例中, 一側内腸骨動脈再建群14 例と両側内腸骨動脈塞栓群7 例をretrospective に治療経過を比較検討した.当科では,一側ないし両側に正常径の内腸骨動脈があれば一側内腸骨動脈を再建し,両側内腸骨動脈瘤の合併や術前状態が比較的不良な症例に限り両側内腸骨動...

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Veröffentlicht in:日本血管外科学会雑誌 2014, Vol.23(6), pp.899-903
Hauptverfasser: 武井, 祐介, 緒方, 孝治, 堀, 貴行, 松下, 恭, 桒田, 俊之, 権, 重好, 井上, 有方, 柴崎, 郁子, 山田, 靖之, 福田, 宏嗣
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Zusammenfassung:要旨:【目的】両側腸骨動脈瘤合併症例に対する腹部ステントグラフト内挿術(EVAR)において, 一側内腸骨動脈再建群(外腸-内腸骨動脈バイパス術併用)と両側内腸骨動脈塞栓群(両側内腸骨動脈コイル塞栓術併用)を比較検討した.【方法】2008 年6 月から2013 年3 月までに両側腸骨動脈瘤合併腹部動脈瘤に対してEVAR を施行した21 例中, 一側内腸骨動脈再建群14 例と両側内腸骨動脈塞栓群7 例をretrospective に治療経過を比較検討した.当科では,一側ないし両側に正常径の内腸骨動脈があれば一側内腸骨動脈を再建し,両側内腸骨動脈瘤の合併や術前状態が比較的不良な症例に限り両側内腸骨動脈塞栓術を行っている.【結果】平均手術時間(p=0.01),平均出血量(p=0.04)および輸血量(p=0.03)において有意に両側内腸骨動脈塞栓群で少なかった.骨盤内虚血症状である臀部跛行,性器障害および虚血性腸炎の発症率に有意差はなかった.一側内腸骨動脈再建群で1 例予期せず両側内腸骨動脈を閉塞させ左半結腸壊死を認め死亡した.術後在院日数(p=0.37)に有意差はなく,術後観察期間中に動脈瘤関連死を認めなかった.【まとめ】可能であれば内腸骨動脈を温存することが望ましいが,両側内腸骨動脈瘤合併症例や術前状態の比較的悪い症例に対して両側内腸骨動脈コイル塞栓手技の併用は比較的安全に施行できることが示唆された.
ISSN:0918-6778
1881-767X
DOI:10.11401/jsvs.13-00074