感染性大腿動脈瘤を合併した解離性弓部大動脈瘤に対する手術例

要旨:両側巨大大腿動脈瘤のある70 歳男性.A 型大動脈解離に対し上行大動脈人工血管置換術を施行した.術後約1 年目に前胸部絞扼感を自覚,同時期より発熱と左鼠径部の腫脹,疼痛が出現した.CTでは上行大動脈遠位側吻合部末梢に新たな解離性大動脈瘤を認め,左大腿動脈瘤は急速拡大しており解離性弓部大動脈瘤と左大腿動脈瘤感染と診断,手術を行った.手術は開胸操作に先立ち左大腿動脈瘤切除を行い,再建にY 型人工血管を使用し一方の側枝を送血路として使用することで安全に再開胸操作を行うことが可能となった.感染対策として瘤切除と前回手術時の人工血管の除去を行い,胸部,大腿部ともにリファンピシン浸漬人工血管を使用し...

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Veröffentlicht in:日本血管外科学会雑誌 2014, Vol.23(3), pp.708-711
Hauptverfasser: 大石, 清寿, 染谷, 毅, 白井, 俊純, 伊佐治, 寿彦, 正木, 幸善, 大島, 永久
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:要旨:両側巨大大腿動脈瘤のある70 歳男性.A 型大動脈解離に対し上行大動脈人工血管置換術を施行した.術後約1 年目に前胸部絞扼感を自覚,同時期より発熱と左鼠径部の腫脹,疼痛が出現した.CTでは上行大動脈遠位側吻合部末梢に新たな解離性大動脈瘤を認め,左大腿動脈瘤は急速拡大しており解離性弓部大動脈瘤と左大腿動脈瘤感染と診断,手術を行った.手術は開胸操作に先立ち左大腿動脈瘤切除を行い,再建にY 型人工血管を使用し一方の側枝を送血路として使用することで安全に再開胸操作を行うことが可能となった.感染対策として瘤切除と前回手術時の人工血管の除去を行い,胸部,大腿部ともにリファンピシン浸漬人工血管を使用した.術後4 週間の抗生剤投与を行い,以後感染の再燃は認めていない.両側大腿動脈瘤を合併する感染性動脈瘤の症例における再手術において送血部位の工夫と感染対策を行うことにより良好な結果を得た.
ISSN:0918-6778
1881-767X
DOI:10.11401/jsvs.13-00060