鼠径部人工血管のMRSA 感染に対する縫工筋皮弁移植術の1 例

要旨:症例は75 歳,女性.慢性透析症例.閉塞性動脈硬化症に対する両側外腸骨-浅大腿動脈バイパス術(Gelsoft® 8 mm 人工血管)施行後4 年目に,両側鼠径部の人工血管の露出が出現.培養で左側にMRSA 感染が認められた.人工血管は両側とも開存していた.バンコマイシン投与下に,デブリードマンを施行したが創治癒は得られず,両側縫工筋皮弁移植術にて人工血管を温存し感染を制御することが可能となった.透析などhigh risk の症例で,低侵襲である人工血管温存を考える場合,MRSA 感染であっても縫工筋皮弁は一つのオプションとなり得る可能性が示唆された....

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Veröffentlicht in:日本血管外科学会雑誌 2013, Vol.22(7), pp.970-972
Hauptverfasser: 棟方, 護, 小野, 裕逸
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:要旨:症例は75 歳,女性.慢性透析症例.閉塞性動脈硬化症に対する両側外腸骨-浅大腿動脈バイパス術(Gelsoft® 8 mm 人工血管)施行後4 年目に,両側鼠径部の人工血管の露出が出現.培養で左側にMRSA 感染が認められた.人工血管は両側とも開存していた.バンコマイシン投与下に,デブリードマンを施行したが創治癒は得られず,両側縫工筋皮弁移植術にて人工血管を温存し感染を制御することが可能となった.透析などhigh risk の症例で,低侵襲である人工血管温存を考える場合,MRSA 感染であっても縫工筋皮弁は一つのオプションとなり得る可能性が示唆された.
ISSN:0918-6778
1881-767X
DOI:10.11401/jsvs.13-00026