大腿深動脈瘤破裂の1手術症例

要  旨:末梢動脈瘤の頻度は胸腹部の大動脈瘤に比較しはるかに少なく,なかでも深大腿動脈は解剖学的な特徴から瘤化することは非常に稀である.しかしひとたび瘤化するとそのほかの末梢動脈瘤に比較して破裂の危険性が高い.今回われわれは大腿深動脈瘤破裂の一手術症例を経験したので報告する.症例は72歳男性.半年前より右大腿部の拍動性腫瘤を自覚していたが,医療機関は受診していなかった.しかし1週間の経過で急速に増大しはじめ,疼痛を伴うようになったため当院を受診.造影CT検査により最大径100 mmの大腿深動脈瘤破裂の診断で緊急手術となった.術前施行した造影CT検査で末梢虚血の所見が確認されなかったため瘤切除の...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:日本血管外科学会雑誌 2012/12/25, Vol.21(7), pp.791-794
Hauptverfasser: 野村, 陽平, 堀, 大治郎, 野口, 権一郎, 田中, 弘之
Format: Artikel
Sprache:jpn
Schlagworte:
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:要  旨:末梢動脈瘤の頻度は胸腹部の大動脈瘤に比較しはるかに少なく,なかでも深大腿動脈は解剖学的な特徴から瘤化することは非常に稀である.しかしひとたび瘤化するとそのほかの末梢動脈瘤に比較して破裂の危険性が高い.今回われわれは大腿深動脈瘤破裂の一手術症例を経験したので報告する.症例は72歳男性.半年前より右大腿部の拍動性腫瘤を自覚していたが,医療機関は受診していなかった.しかし1週間の経過で急速に増大しはじめ,疼痛を伴うようになったため当院を受診.造影CT検査により最大径100 mmの大腿深動脈瘤破裂の診断で緊急手術となった.術前施行した造影CT検査で末梢虚血の所見が確認されなかったため瘤切除のみ施行し,深大腿動脈の血行再建は行わなかった.術後,間歇性跛行などの下肢虚血の合併症を併発することなく経過良好で退院となった.
ISSN:0918-6778
1881-767X
DOI:10.11401/jsvs.21.791