感染性膝窩動脈瘤の1例

要  旨:症例は72歳の白人男性.2007年から50 mの右間歇性跛行があり,2008年から維持透析中であった.2009年7月から右膝窩部の疼痛があり,8月25日に転院となった.右膝窩部の発赤と腫脹があり,白血球数16200/μl,CRP 38.0 mg/dlで高度の炎症を認めた.造影CTで内部にガス像を伴う径57 mmの右膝窩動脈仮性瘤を認めた.右膝窩動脈は瘤の近位で閉塞し,右ABIは0.52であった.感染性膝窩動脈瘤と診断し,緊急手術を行った.全身麻酔下,後方アプローチでデブリードマンを行い,膝窩動脈は縫合閉鎖した.膿瘍腔にドレーンを入れ陰圧持続吸引とした.術中の膿よりBacteroide...

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Veröffentlicht in:日本血管外科学会雑誌 2012/10/25, Vol.21(6), pp.733-735
Hauptverfasser: 寒川, 顕治, 神野, 禎次
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:要  旨:症例は72歳の白人男性.2007年から50 mの右間歇性跛行があり,2008年から維持透析中であった.2009年7月から右膝窩部の疼痛があり,8月25日に転院となった.右膝窩部の発赤と腫脹があり,白血球数16200/μl,CRP 38.0 mg/dlで高度の炎症を認めた.造影CTで内部にガス像を伴う径57 mmの右膝窩動脈仮性瘤を認めた.右膝窩動脈は瘤の近位で閉塞し,右ABIは0.52であった.感染性膝窩動脈瘤と診断し,緊急手術を行った.全身麻酔下,後方アプローチでデブリードマンを行い,膝窩動脈は縫合閉鎖した.膿瘍腔にドレーンを入れ陰圧持続吸引とした.術中の膿よりBacteroidesを認めた.5カ月後右浅大腿-脛骨・腓骨幹動脈バイパス術を行った.初回手術後1年を経過し感染の再燃はなく,グラフトは開存している.Bacteroidesによる感染性膝窩動脈瘤はこれまでに報告がなく,稀と思われる.
ISSN:0918-6778
1881-767X
DOI:10.11401/jsvs.21.733