腹部腸骨動脈瘤に対する二期的血管内治療

要  旨:【目的】腹部腸骨動脈瘤に対する標準的治療は開腹術であったが,ステントグラフトの登場により低侵襲である血管内治療が積極的に行われるようになってきている.今回,腹部腸骨動脈瘤の血管内治療においてコイル塞栓術とステントグラフト内挿術(EVAR)を二期的に行うことの優位性を明らかにする.【方法】2006年4月から2011年1月まで当科で腹部腸骨動脈瘤に対してコイル塞栓術とEVARが必要な腹部腸骨動脈瘤34症例を対象とし,これを一期的治療群23症例と二期的治療群11症例に分けて臨床的に比較検討した.【結果】全例において初期治療は成功し,両群間で平均合計手術時間(p=0.36),平均術後在院日数...

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Veröffentlicht in:日本血管外科学会雑誌 2012/10/25, Vol.21(6), pp.717-720
Hauptverfasser: 武井, 祐介, 上田, 秀樹, 大畑, 俊裕
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Zusammenfassung:要  旨:【目的】腹部腸骨動脈瘤に対する標準的治療は開腹術であったが,ステントグラフトの登場により低侵襲である血管内治療が積極的に行われるようになってきている.今回,腹部腸骨動脈瘤の血管内治療においてコイル塞栓術とステントグラフト内挿術(EVAR)を二期的に行うことの優位性を明らかにする.【方法】2006年4月から2011年1月まで当科で腹部腸骨動脈瘤に対してコイル塞栓術とEVARが必要な腹部腸骨動脈瘤34症例を対象とし,これを一期的治療群23症例と二期的治療群11症例に分けて臨床的に比較検討した.【結果】全例において初期治療は成功し,両群間で平均合計手術時間(p=0.36),平均術後在院日数(p=0.86),平均合計造影剤使用量(p=0.39),臀部跛行(p=0.67)に有意差は認めなかった.しかし,推定GFR変化率(術後推定GFR-術前推定GFR)については二期的治療群の方が有意に少なかった(-1.8±1.5 vs. -3.9±4.2 ml/min/1.73 m2, p=0.02).【結論】腹部腸骨動脈瘤に対する二期的治療は一期的治療と比較してより腎保護的であり低侵襲である可能性を有する.
ISSN:0918-6778
1881-767X
DOI:10.11401/jsvs.21.717