感染性胸部仮性大動脈瘤に対して血管内治療とドレナージを併用して治癒を得た1例

症例は73歳女性.71歳時に直腸癌に対して骨盤内臓全摘および人工肛門・回腸導管造設術を施行されており,その後化学療法と放射線療法を受けていた.腎盂腎炎から敗血症となり,抗生剤治療にて炎症反応の改善傾向を認めていたが,胸水・心嚢水貯留が出現した.造影CTの結果から感染性胸部大動脈瘤破裂と診断し,自作ステントによる緊急ステントグラフト内挿術を行った.ステントグラフト内挿後9日目に動脈瘤周囲膿瘍に対して全身麻酔・分離換気下に左小開胸で膿瘍腔郭清・膿瘍腔ドレナージを行った.その後も感受性のある抗生剤を使用しドレーンを挿入したままで膿瘍腔郭清術後60日目に退院.郭清術後8カ月でドレーンを抜去したが,ステ...

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Veröffentlicht in:日本血管外科学会雑誌 2012/06/25, Vol.21(4), pp.637-640
Hauptverfasser: 徳井, 俊也, 小暮, 周平, 山本, 直樹, 藤井, 太郎, 渡邉, 文亮, 湯浅, 右人
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:症例は73歳女性.71歳時に直腸癌に対して骨盤内臓全摘および人工肛門・回腸導管造設術を施行されており,その後化学療法と放射線療法を受けていた.腎盂腎炎から敗血症となり,抗生剤治療にて炎症反応の改善傾向を認めていたが,胸水・心嚢水貯留が出現した.造影CTの結果から感染性胸部大動脈瘤破裂と診断し,自作ステントによる緊急ステントグラフト内挿術を行った.ステントグラフト内挿後9日目に動脈瘤周囲膿瘍に対して全身麻酔・分離換気下に左小開胸で膿瘍腔郭清・膿瘍腔ドレナージを行った.その後も感受性のある抗生剤を使用しドレーンを挿入したままで膿瘍腔郭清術後60日目に退院.郭清術後8カ月でドレーンを抜去したが,ステントグラフト内挿術施行後2年経過した時点で感染の再燃を認めていない.造影CTでは膿瘍腔・動脈瘤の消失を認め,endleakは認めなかった.感染性胸部大動脈瘤破裂症例に対して,二期的にドレナージを加えることでステントグラフト内挿術も良好な長期成績を期待できる.
ISSN:0918-6778
1881-767X
DOI:10.11401/jsvs.21.637