顕微鏡的多発血管炎患者に大血管疾患が繰り返し生じた1例

顕微鏡的多発血管炎(MPA)は小血管(毛細血管,細小動・静脈)に壊死性血管炎が生じ,抗好中球細胞質抗体(ANCA)陽性率が高いANCA関連型血管炎の中の一疾患であり,一般的には大動脈や主要分枝には血管炎を生じないとされる.今回,われわれはMPA発症後1年間に大動脈解離と瘤化を繰り返した症例を経験した.症例は63歳女性,2007年7月にMPA発症,急速進行性糸球体腎炎・末期腎不全に至り,ステロイド内服と透析を導入した.同年10月Stanford B型急性大動脈解離を発症し,保存的加療を行うも,11月に再解離,12月に再々解離を発症した.2008年6月,下行大動脈径60 mmと拡大を認め,7月に下...

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Veröffentlicht in:日本血管外科学会雑誌 2011/08/25, Vol.20(5), pp.819-822
Hauptverfasser: 内室, 智也, 福井, 寿啓, 中道, 司, 三原, 和平
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:顕微鏡的多発血管炎(MPA)は小血管(毛細血管,細小動・静脈)に壊死性血管炎が生じ,抗好中球細胞質抗体(ANCA)陽性率が高いANCA関連型血管炎の中の一疾患であり,一般的には大動脈や主要分枝には血管炎を生じないとされる.今回,われわれはMPA発症後1年間に大動脈解離と瘤化を繰り返した症例を経験した.症例は63歳女性,2007年7月にMPA発症,急速進行性糸球体腎炎・末期腎不全に至り,ステロイド内服と透析を導入した.同年10月Stanford B型急性大動脈解離を発症し,保存的加療を行うも,11月に再解離,12月に再々解離を発症した.2008年6月,下行大動脈径60 mmと拡大を認め,7月に下行大動脈置換術を施行したが,2009年6月には弓部大動脈に嚢状瘤形成を認め,7月に弓部大動脈全置換術を施行した.ANCA関連型血管炎と大動脈疾患の合併は過去に少数の報告を認めるのみであり,文献的考察を加えて報告する.
ISSN:0918-6778
1881-767X
DOI:10.11401/jsvs.20.819