後方アプローチで緊急手術を行った膝窩動脈瘤急性閉塞の1例

症例は60歳男性.突発的な右下腿疼痛で発症.来院時知覚鈍麻,チアノーゼ,両側膝窩部に拍動性腫瘤を認めた.単純CTで両側膝窩動脈瘤を認め,下肢造影MRAで右下腿3分枝はほとんど描出されない状態.右膝窩動脈瘤急性閉塞の診断で緊急手術となった.手術は腹臥位,後方アプローチから瘤切除,血栓除去+人工血管置換術を施行し,独歩退院に至った.膝窩動脈瘤の手術術式は内側アプローチによるバイパス術か後方アプローチによる人工血管置換術かに大別される.しかし急性閉塞の緊急手術治療適応症例において,下腿動脈3分岐以下のrun-off不良な場合,術式選択に苦慮する.今回術式決定の判断材料として下肢造影MRAの下腿動脈血...

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Veröffentlicht in:日本血管外科学会雑誌 2011/08/25, Vol.20(5), pp.813-817
Hauptverfasser: 久岡, 崇宏, 山本, 修司
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:症例は60歳男性.突発的な右下腿疼痛で発症.来院時知覚鈍麻,チアノーゼ,両側膝窩部に拍動性腫瘤を認めた.単純CTで両側膝窩動脈瘤を認め,下肢造影MRAで右下腿3分枝はほとんど描出されない状態.右膝窩動脈瘤急性閉塞の診断で緊急手術となった.手術は腹臥位,後方アプローチから瘤切除,血栓除去+人工血管置換術を施行し,独歩退院に至った.膝窩動脈瘤の手術術式は内側アプローチによるバイパス術か後方アプローチによる人工血管置換術かに大別される.しかし急性閉塞の緊急手術治療適応症例において,下腿動脈3分岐以下のrun-off不良な場合,術式選択に苦慮する.今回術式決定の判断材料として下肢造影MRAの下腿動脈血流の確認と単純CTによる動脈瘤形態も評価した.動脈瘤が膝窩部に限局していたため,後方アプローチから動脈瘤を開放し,末梢側動脈血栓除去を可及的迅速に行うことができ,結果的に良好な末梢血流が得られた.
ISSN:0918-6778
1881-767X
DOI:10.11401/jsvs.20.813