A助産院の産後ケア事業を利用した高年初産婦の体験

目的産後ケア事業における高年初産婦への支援の質向上のため,A助産院の産後ケア事業を利用した高年初産婦が,産後ケア事業利用についてどのように感じ考えたのか,その体験を明らかにする.研究方法A助産院の産後ケア事業を利用した高年初産婦10名を対象に,産後ケア事業での体験について,A助産院にて約30~60分間,半構造化面接を実施した.インタビュー内容は同意を得て,ICレコーダーに録音した.得られたデータは,質的帰納的に分析した.結果研究参加者は,【周りに頼れずどうにもならない】と思っていたが,産後ケア事業を利用したことで,【心と体が癒された】.また,育児に専念でき【家でもやっていける自信がついた】ため...

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Veröffentlicht in:香川大学看護学雑誌 2023/03/30, Vol.27(1), pp.1-12
Hauptverfasser: 谷上, 友理, 松尾, 真璃, 山本, 美輪, 石上, 悦子, 川田, 紀美子
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:目的産後ケア事業における高年初産婦への支援の質向上のため,A助産院の産後ケア事業を利用した高年初産婦が,産後ケア事業利用についてどのように感じ考えたのか,その体験を明らかにする.研究方法A助産院の産後ケア事業を利用した高年初産婦10名を対象に,産後ケア事業での体験について,A助産院にて約30~60分間,半構造化面接を実施した.インタビュー内容は同意を得て,ICレコーダーに録音した.得られたデータは,質的帰納的に分析した.結果研究参加者は,【周りに頼れずどうにもならない】と思っていたが,産後ケア事業を利用したことで,【心と体が癒された】.また,育児に専念でき【家でもやっていける自信がついた】ため産後ケア事業の利用を終了した.自宅に帰ってからは,助産院での経験と存在を【支えにして経験を活かす】ことで,試行錯誤を繰り返しながら自分と子どものペースにあった育児ができていた.また,心のゆとりが生まれたことで,【今母になってよかった】と思うことができるようになっていた.考察心身ともに辛かった研究参加者は,産後ケア事業を利用し,心と体が癒され,子どもに目を向けることができるようになった.そして,助産師に見守られ,育児技術を練習したことが安心感と自信につながり,漠然とした自信となっていた.また,助産院をいつでも頼ることのできる場所として心の支えにし,経験を活かすことで,自分と子どもにあった育児について考えられるようになっていた.さらに,産後ケア事業を利用したことで心のゆとりが生まれ,子どもとの生活を優先させた自分を肯定することができ,今の年齢で産んで良かったと思えるようになっていた.結論研究参加者は,「高年」で出産したことから周りに頼れずどうにもならないと思いながら育児を行っていた.しかし,助産院の産後ケア事業を利用し,心と体が癒され,子どもに目を向けることができるようになった.そして,助産師と育児技術を練習したことが安心感と自信につながった.また,助産院を心の支えにしながら,産後ケア事業での経験を活かし,自分と子どもにあった育児について考える力を身につけることができた.さらに心のゆとりが生まれ,人生を肯定的に捉えられるようになっていた.
ISSN:1349-8673
2189-2970
DOI:10.34390/njku.27.1_1