低出生体重児をもつ母親の抑うつと育児困難感の推移と関連
「要旨」本研究の目的は, 低出生体重児の母親の児入院中と児退院後の産後の抑うつと育児困難感, 育児満足感を縦断的に調査し推移と関連を検討することである. A県内で新生児特定集中治療室 (Neonatal Intensive Care Unit : NICU以下NICU) をもつ3施設において, 低出生体重児を出産した母親を対象に, 日本版エジンバラ産後うつ病自己質問票 (以下EPDS) , 子ども総研式育児支援質問紙 (0~11か月用) の下位領域「育児困難感I」「Difficult Baby」「子どもの心身状態」, 子育て観尺度 (以下CPS-M97) を量的測定用具とし調査を行った. また...
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Veröffentlicht in: | 香川大学看護学雑誌 2014-03, Vol.18 (1), p.25-34 |
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Hauptverfasser: | , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「要旨」本研究の目的は, 低出生体重児の母親の児入院中と児退院後の産後の抑うつと育児困難感, 育児満足感を縦断的に調査し推移と関連を検討することである. A県内で新生児特定集中治療室 (Neonatal Intensive Care Unit : NICU以下NICU) をもつ3施設において, 低出生体重児を出産した母親を対象に, 日本版エジンバラ産後うつ病自己質問票 (以下EPDS) , 子ども総研式育児支援質問紙 (0~11か月用) の下位領域「育児困難感I」「Difficult Baby」「子どもの心身状態」, 子育て観尺度 (以下CPS-M97) を量的測定用具とし調査を行った. また児入院中と児退院後の育児上心配なことや困ったことを自由記載で求め, 帰納的に内容分析した. なお, 本研究は香川大学医学部倫理委員会の承認を得て実施した. 分析対象は低出生体重児の母親41名の内, 両時期に回答した22名 (回収率53.7%) とし, 以下の結果を得た. 1. 低出生体重児をもつ母親のEPDSは児退院後に比べ, 児入院中の方が有意に高かった (p=0.019) . 2. 児入院中におけるEPDSと育児困難感Iは関連し (τ=0.453) , 児退院後のEPDSと育児困難感Iも関連していた (τ=0.624) . 両時期のEPDSとCPS-M97との関連はなかった. 3. 自由記載内容分析で, 両時期に共通したカテゴリ【発達の心配】,【授乳方法が心配】が抽出された. EPDSの推移は児入院中・後で有意に差が有り, また児入院中と児退院後のEPDSと育児困難感Iが関連したことから, 児入院中は母親のネガティブな心理特性を理解し, 育児に自信をもつ支援が重要と考察された. また児入院中の母児分離期は, 育児への戸惑いや自信のなさが, 育児困難感を助長し産後の抑うつに影響すると考えられた. |
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ISSN: | 1349-8673 |