切迫早産女性の煎茶で陰部洗浄前後の細菌数およびQOLの評価

「要旨」「目的」切迫早産女性を対象に, 緑茶に含まれるカテキンの抗菌効果を活用し, 煎茶で陰部洗浄前後の外陰部の表在細菌数とQOLの変化について検討し, 煎茶で陰部洗浄の看護ケアの有用性を明確にする. 「方法」切迫早産により安静と子宮収縮抑制剤投与中の女性15名を対象に, 煎茶 (カテキン濃度0.05%) で陰部洗浄を7日間行い, 洗浄前後の陰部表在細菌数の変化とQOLを調査した. 表在細菌数はコロニー数を計測し, QOLはMedical Outcome36-Items Short Formの活力の下位概念を用いて分析した. 所属大学医学部倫理委員会の承認後, 対象者に目的・方法を文書と口頭で...

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Veröffentlicht in:香川大学看護学雑誌 2014-03, Vol.18 (1), p.13-23
Hauptverfasser: 松下有希子, 佐々木睦子, 内藤直子
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「要旨」「目的」切迫早産女性を対象に, 緑茶に含まれるカテキンの抗菌効果を活用し, 煎茶で陰部洗浄前後の外陰部の表在細菌数とQOLの変化について検討し, 煎茶で陰部洗浄の看護ケアの有用性を明確にする. 「方法」切迫早産により安静と子宮収縮抑制剤投与中の女性15名を対象に, 煎茶 (カテキン濃度0.05%) で陰部洗浄を7日間行い, 洗浄前後の陰部表在細菌数の変化とQOLを調査した. 表在細菌数はコロニー数を計測し, QOLはMedical Outcome36-Items Short Formの活力の下位概念を用いて分析した. 所属大学医学部倫理委員会の承認後, 対象者に目的・方法を文書と口頭で説明し, 文書で同意を得た. 「結果」対象者15名は煎茶群10名と対照群5名. 平均年齢27±3.7歳, 平均妊娠週数30.2±3.6週. 洗浄前後の表在細菌数は煎茶群が有意 (p=0.02) であった. また, 表在細菌減少率も煎茶群が有意 (p=0.004) であった. QOLに有意な差はなかった. 煎茶群の女性の感想として, 洗浄2日目から帯下の減少を自覚し, 「さっぱり」「すっきり」という使用感を表現していた. 「考察」煎茶で陰部洗浄は外陰部の表在細菌の減少と減少率から, 感染予防に有効である. また, 切迫早産で入院している女性の「不快」を「快」に変化させて爽快感が得られることから, 清潔への基本的ニーズを充足させる看護ケアであると考える. 「結論」切迫早産女性への煎茶で陰部洗浄は, 感染予防と入院中のQOLを高める看護ケアであることが示唆された.
ISSN:1349-8673