ATLAS.tiによる時短の看護職母親にみる仕事と子育ての構造
「要旨」子育てで, 就労時間を短縮 (以下, 時短と略す) した看護職母親の仕事と子育ての思いを明らかにすることを目的とし, 2009年度に中・四国と近畿地方の公的病院30施設において, 時短で0~6歳児を養育中の看護職母親108名を対象に質問紙調査を行なった. 本研究は, その内, 面接調査に承諾が得られた母親8名を対象に半構造化面接を行ない得られた内容である. 分析は戈木のGrounded theory approach (以下, GTAと略す) の方法に, 一部ATLAS.tiを用いて行った. その結果, コアカテゴリー{救いの時短制度で仕事をする決意}の概念が抽出された. これは, 7...
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Veröffentlicht in: | 香川大学看護学雑誌 2013-03, Vol.17 (1), p.25-33 |
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Hauptverfasser: | , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「要旨」子育てで, 就労時間を短縮 (以下, 時短と略す) した看護職母親の仕事と子育ての思いを明らかにすることを目的とし, 2009年度に中・四国と近畿地方の公的病院30施設において, 時短で0~6歳児を養育中の看護職母親108名を対象に質問紙調査を行なった. 本研究は, その内, 面接調査に承諾が得られた母親8名を対象に半構造化面接を行ない得られた内容である. 分析は戈木のGrounded theory approach (以下, GTAと略す) の方法に, 一部ATLAS.tiを用いて行った. その結果, コアカテゴリー{救いの時短制度で仕事をする決意}の概念が抽出された. これは, 7カテゴリー【通常勤務での子育て困難や復帰時の不安】,【周囲の協力による定刻の帰宅】,【遠慮や受ける言葉の辛さ】,【夫や親の協力が大きな支え】,【余裕の時間が両方に変化を与えて好影響】,【時短でも子育ては大変】,【周囲の理解や制度の拡大希望】と1サブカテゴリー≪心に余裕がない≫で構成されている. 母親の{救いの時短制度で仕事をする決意}が仕事と子育てへの思いを変化させ, その思いは相互作用・相乗効果 (シナジー) を伴い, 仕事と子育て両方に好影響を与えていた. また, 時短の母親には遠慮や辛さも伴っていることが明らかになり, 今後は, 周囲の理解・協力が得られる職場風土の醸成や更なる時短制度の拡大が必須である. |
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ISSN: | 1349-8673 |