分娩第1期における足部温罨法によるリラクセーション反応と和痛効果

「要旨」本研究の目的は, 分娩第1期の産婦に足部温罨法を施行し生理学的指標と心理学的指標を用いて, リラクセーション反応と和痛効果を検討し, 分娩第1期の足部温罨法のケアの有用性を実証することである. 研究方法は, 準実験研究を行った. 対象は同意の得られた正常分娩の18名の産婦を足部温罨法介入群(11名)と対照群(7名)の2群にした. 測定項目は, 生理学的指標の相対心拍率, 収縮期血圧, 拡張期血圧, 下肢皮膚温, 血流量の5項目と, 心理学的指標の快適感覚, RE尺度, 疼痛スケール, 日本語版STAIの4項目と, 質的データとして分娩想起時の語りとした. 倫理的配慮は, 施設の倫理委員...

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Veröffentlicht in:香川大学看護学雑誌 2012-03, Vol.16 (1), p.7-17
Hauptverfasser: 松下明美, 内藤直子, 峠哲男
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「要旨」本研究の目的は, 分娩第1期の産婦に足部温罨法を施行し生理学的指標と心理学的指標を用いて, リラクセーション反応と和痛効果を検討し, 分娩第1期の足部温罨法のケアの有用性を実証することである. 研究方法は, 準実験研究を行った. 対象は同意の得られた正常分娩の18名の産婦を足部温罨法介入群(11名)と対照群(7名)の2群にした. 測定項目は, 生理学的指標の相対心拍率, 収縮期血圧, 拡張期血圧, 下肢皮膚温, 血流量の5項目と, 心理学的指標の快適感覚, RE尺度, 疼痛スケール, 日本語版STAIの4項目と, 質的データとして分娩想起時の語りとした. 倫理的配慮は, 施設の倫理委員会の承認を得, 対象者に口頭と文書で説明し, 口頭と文書で研究協力の同意を確認した. 結果は, 足部温罨法前後の比較で, 生理学的指標の相対心拍率の低下, 収縮期血圧の低下, 心理学的指標の快適感覚, RE尺度の低下と上昇, 痛みのスケールの上昇においてt検定で5%未満の有意差を認めた. 介入群と対照群の比較は, 一元配置分散分析を行ったが, 有意差を認めなかった. 分娩後の温罨法の感想では, の4つのカテゴリーを抽出した. 産婦は, 足部温罨法により, 生理学的指標と心理学的指標においてもリラクセーション反応と考えられる身体反応と心理反応を認めた. 産婦は足部温罨法の感想を, リラックス感や温感とともに産痛の緩和や分娩の肯定感を述べており, 足部温罨法の心地よい感覚が分娩に対する前向きな気持ちを引き出す可能性があると考察した. 結論は, (1)足部温罨法は産婦にリラクセーション反応を招き, 汎用でき簡便で非侵襲的な看護ケアである. (2)産痛に対する足部温罨法の和痛効果は, 疼痛スケールでは明らかにならなかったが, 分娩後の感想で和痛効果を語っていた.
ISSN:1349-8673