ボリコナゾール血中濃度測定実施率向上を目的としたオーダリングシステム改修の有用性の検討
「緒言」 深在性真菌症は, 免疫機能が正常であれば通常発症することはなく, 重篤な基礎疾患やその治療のために免疫機能が低下した宿主に日和見感染として発症する. また, 悪性血液疾患の治療中に発症した深在性真菌症は難治であり, 特に侵襲性アスペルギルス症は死亡率が高い. ボリコナゾール(以下, VRCZ)はカンジダ属, アスペルギルス属, クリプトコックス属などへの, 幅広い抗真菌スペクトルを有するトリアゾール系抗真菌薬である. 本剤は, 入院患者に限定して, 保険診療上, 特定薬剤治療管理料の算定が可能であり, 薬物血中濃度の測定(Therapeutic Drug Monitoring : T...
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Veröffentlicht in: | 医薬品情報学 2020/02/28, Vol.21(4), pp.152-158 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「緒言」 深在性真菌症は, 免疫機能が正常であれば通常発症することはなく, 重篤な基礎疾患やその治療のために免疫機能が低下した宿主に日和見感染として発症する. また, 悪性血液疾患の治療中に発症した深在性真菌症は難治であり, 特に侵襲性アスペルギルス症は死亡率が高い. ボリコナゾール(以下, VRCZ)はカンジダ属, アスペルギルス属, クリプトコックス属などへの, 幅広い抗真菌スペクトルを有するトリアゾール系抗真菌薬である. 本剤は, 入院患者に限定して, 保険診療上, 特定薬剤治療管理料の算定が可能であり, 薬物血中濃度の測定(Therapeutic Drug Monitoring : TDM)が推奨され, 有効濃度域はトラフ濃度≧1~2μg/mL, 安全性の面から≧4~5μg/mLの場合に肝障害に留意すべきと勧告されている. 順天堂大学医学部附属順天堂医院における2011年1月から2017年10月までのVRCZのTDM実施状況について調査した結果, 入院患者におけるTDM実施率が42%にとどまっており, 血中濃度測定の必要性について院内周知不足および血中濃度測定依頼を手書きの検査依頼書として運用していたことが原因と考えられた. |
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ISSN: | 1345-1464 1883-423X |
DOI: | 10.11256/jjdi.21.152 |