副腎皮質ステロイド軟膏剤の適正使用に向けたFinger-tip unitによる服薬指導の実態調査と製剤学的使用性の評価

「緒言」アトピー性皮膚炎をはじめとして皮膚疾患治療のためにステロイド軟膏剤の処方が多く見受けられ, 治療上ステロイド剤は必要不可欠な存在である. また多くの皮膚科専門医らは使用用途や使用部位によって適切な強さのステロイド剤の選択を厳密に行っている. 一方, ステロイド軟膏剤の添付文書における用法・用量の項には, 「通常, 1日1~数回, 適量を患部に塗布する. なお, 症状により適宜増減する. 」と記載されてあり, 処方箋記載内容もこれを踏襲されているのが現状である. このように, 塗布量などの使用方法に関する用法・用量の指示は疾患治療上, 重要な情報の1つと考えられるが, ほとんどの薬剤で曖...

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Veröffentlicht in:医薬品情報学 2017, Vol.18 (4), p.270-276
Hauptverfasser: 竹下治範, 井上知美, 高瀬尚武, 波多江崇, 室井延之, 濱口常男
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「緒言」アトピー性皮膚炎をはじめとして皮膚疾患治療のためにステロイド軟膏剤の処方が多く見受けられ, 治療上ステロイド剤は必要不可欠な存在である. また多くの皮膚科専門医らは使用用途や使用部位によって適切な強さのステロイド剤の選択を厳密に行っている. 一方, ステロイド軟膏剤の添付文書における用法・用量の項には, 「通常, 1日1~数回, 適量を患部に塗布する. なお, 症状により適宜増減する. 」と記載されてあり, 処方箋記載内容もこれを踏襲されているのが現状である. このように, 塗布量などの使用方法に関する用法・用量の指示は疾患治療上, 重要な情報の1つと考えられるが, ほとんどの薬剤で曖昧な表記になっている. そのため, 患者は薬を手にするものの, 正しい塗布方法を実践しておらず, 期待される治療効果が得られないことが懸念される. 現在まで軟膏の使用方法についてFinlayらによってFinger-tip Unit (FTU) の概念が提唱されて以来, 欧米ではFTUを用いて患者への適切な軟膏の塗布量の指示がなされている.
ISSN:1345-1464