スルホンアミド類似構造を有する医薬品の薬物過敏症に関する添付文書の調査研究

「緒言」薬物過敏症は薬物によって用量非依存的に引き起こされる特異的な薬物有害反応である. ペニシリン系抗菌薬に代表されるような, 化学構造に起因する薬物過敏症が明らかにされており, 添付文書には類似構造に対する交叉過敏症反応の注意喚起が記載されている医薬品も多い. 日本の添付文書において, ペニシリン系抗菌薬の交叉過敏症に関する事項の記載位置は「禁忌」または「原則禁忌」の項に統一されており, その記載内容も"ペニシリン系抗生物質に過敏症の既往歴のある患者"に統一されている. 一方, スルホンアミド類似構造(-SO2-NR1R2 : R1, R2はアルキル基またはH)やピペリ...

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Veröffentlicht in:医薬品情報学 2016, Vol.18 (1), p.1-6
Hauptverfasser: 田中博之, 篠原悦子, 佐藤光利, 石井敏浩
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「緒言」薬物過敏症は薬物によって用量非依存的に引き起こされる特異的な薬物有害反応である. ペニシリン系抗菌薬に代表されるような, 化学構造に起因する薬物過敏症が明らかにされており, 添付文書には類似構造に対する交叉過敏症反応の注意喚起が記載されている医薬品も多い. 日本の添付文書において, ペニシリン系抗菌薬の交叉過敏症に関する事項の記載位置は「禁忌」または「原則禁忌」の項に統一されており, その記載内容も"ペニシリン系抗生物質に過敏症の既往歴のある患者"に統一されている. 一方, スルホンアミド類似構造(-SO2-NR1R2 : R1, R2はアルキル基またはH)やピペリジン, ピペラジン骨格を有する医薬品のように, 構造の一部が薬物過敏症に関与する可能性が指摘されている医薬品の添付文書上の記載は, 統一されていない. スルホンアミド薬は, 構造的にスルホンアミド部分によって定義され, さらにスルホンアミド系抗菌薬および非抗菌性スルホンアミドに分けることができる.
ISSN:1345-1464