文献調査による抗がん剤曝露と対策の変遷

「はじめに」欧米では1970年代から抗がん剤による職業性曝露に注意喚起がなされていたが, わが国では1983年に初めて問題提起された. 当時は医師や看護師が個人防護具(Personal Protective Equipment : PPE)を着けずに抗がん剤を取扱うことが日常的であり, 諸外国に遅れてやっと1991年に日本病院薬剤師会(Japanese Society of Hospital Pharmacists : JSHP)学術委員会によって初のガイドラインが作成され, その後数回の改訂を経て今日に至っている. 抗がん剤曝露の健康影響とその対策を論じる場合に, 尿中変異原性物質を検出した...

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Veröffentlicht in:医薬品情報学 2015, Vol.17 (1), p.1-10
Hauptverfasser: 石川星, 佐伯潤, 戸田宏子, 小澤知博, 廣原正宜, 串田一樹
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「はじめに」欧米では1970年代から抗がん剤による職業性曝露に注意喚起がなされていたが, わが国では1983年に初めて問題提起された. 当時は医師や看護師が個人防護具(Personal Protective Equipment : PPE)を着けずに抗がん剤を取扱うことが日常的であり, 諸外国に遅れてやっと1991年に日本病院薬剤師会(Japanese Society of Hospital Pharmacists : JSHP)学術委員会によって初のガイドラインが作成され, その後数回の改訂を経て今日に至っている. 抗がん剤曝露の健康影響とその対策を論じる場合に, 尿中変異原性物質を検出した1979年のFalckらの論文がよく引用されているが, それ以前に抗がん剤曝露による急性中毒症状が報告されていたことは, あまり触れられていない. わが国においても冨岡らが曝露とその対策をまとめているが, Falckらの論文以前に報告された急性中毒症状には触れられていない.
ISSN:1345-1464