保険薬局において副作用を疑う症例に対応する際の課題
「緒言」副作用は日常的に生じていることが, 海外のみならず日本でも最近明らかになった. 薬による健康被害は, 軽微なものから生命にかかわる深刻なものを含めて, 入院患者10人あたり3件にも上る. しかし, 厚生労働省に報告される副作用件数は, 医療者からの報告が義務づけられた平成 15年以降も横ばいである. 副作用報告は, 医療者や患者の副作用の気づきと副作用の判定の過程を経て行われる. 報告数の伸び悩みは, 医療者が副作用に気づいていないことや, たとえ副作用を疑ったとしても, その症例のモニタリングが不十分であったり医療者間の情報交換が不十分であったりするなど, 副作用疑いの症例に直面した...
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Veröffentlicht in: | 医薬品情報学 2012-02, Vol.13 (4), p.194-198 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「緒言」副作用は日常的に生じていることが, 海外のみならず日本でも最近明らかになった. 薬による健康被害は, 軽微なものから生命にかかわる深刻なものを含めて, 入院患者10人あたり3件にも上る. しかし, 厚生労働省に報告される副作用件数は, 医療者からの報告が義務づけられた平成 15年以降も横ばいである. 副作用報告は, 医療者や患者の副作用の気づきと副作用の判定の過程を経て行われる. 報告数の伸び悩みは, 医療者が副作用に気づいていないことや, たとえ副作用を疑ったとしても, その症例のモニタリングが不十分であったり医療者間の情報交換が不十分であったりするなど, 副作用疑いの症例に直面した際の対処が十分でないことが関与している可能性が考えられる. 副作用の発見やモニタリングは薬剤師の重要な業務であり, その業務環境は病院・診療所と保険薬局とで異なる. 病院・診療所では, 病名や検査結果はカルテから入手でき, 医師ら他職種との協議は容易に行える. |
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ISSN: | 1345-1464 |