葉酸の神経管閉鎖障害リスク低下効果に関する薬剤師の認識

「緒言」葉酸は妊娠初期に胎児の神経管形成において重要な栄養素であり, 妊娠前から十分量摂取することで, 児の神経管閉鎖障害リスクを低下させることが明らかにされている. 本邦においては, 平成 12年12月の厚生省通知「神経管閉鎖障害の発症リスク低減のための妊娠可能な年齢の女性等に対する葉酸の摂取に係る適切な情報提供の推進について」において, 妊娠前および妊娠中に付加的に400μg/日の葉酸を摂取することが推奨されている. 特に, 野菜からの摂取に比べて効率的な摂取が可能であるなどの理由からサプリメントによる葉酸摂取が推奨されている. しかしながら, 産科専門病院へ通院中の妊婦を対象とした調査で...

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Veröffentlicht in:医薬品情報学 2012-02, Vol.13 (4), p.167-172
Hauptverfasser: 小原拓, 村井ユリ子, 猪狩有紀恵, 原梓, 岸川幸生, 早坂正孝, 鎌田裕, 眞野成康, 高橋將喜, 生出泉太郎, 北村哲治
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「緒言」葉酸は妊娠初期に胎児の神経管形成において重要な栄養素であり, 妊娠前から十分量摂取することで, 児の神経管閉鎖障害リスクを低下させることが明らかにされている. 本邦においては, 平成 12年12月の厚生省通知「神経管閉鎖障害の発症リスク低減のための妊娠可能な年齢の女性等に対する葉酸の摂取に係る適切な情報提供の推進について」において, 妊娠前および妊娠中に付加的に400μg/日の葉酸を摂取することが推奨されている. 特に, 野菜からの摂取に比べて効率的な摂取が可能であるなどの理由からサプリメントによる葉酸摂取が推奨されている. しかしながら, 産科専門病院へ通院中の妊婦を対象とした調査では, 妊娠前から葉酸サプリメントを摂取していた割合は6%と低率であり, 妊娠中も41%と半数未満であったことが報告されている. また, 国立成育医療研究センターの「妊娠とお薬相談窓口」に相談を申し込んだ妊婦を対象とした調査においても, 妊娠前の葉酸サプリメント摂取の割合は8%と低値であった.
ISSN:1345-1464