看護系大学院修士課程におけるチームビルディング力育成プログラムの効果

「抄録」目的: 本研究の目的は, 看護系大学院修士課程のチームビルディング力育成プログラムの効果を検討することである. 方法: 2012~2019年度の大学院科目チームビルディングを履修し, チームビルディング力育成プログラムに参加した聖路加国際大学看護学研究科院生201人を対象とした. チームビルディング力育成プログラムは, アクティビティを基盤とし, チームによる問題解決方法とチーム形成プロセスを体験的に学ぶプログラムである. 単群前後比較デザインによる質問紙調査にてプログラムの効果を検討した. チームアプローチ評価尺度と相互独立的 - 相互協調的自己観尺度はプログラム前後で調査し, プロ...

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Veröffentlicht in:聖路加看護学会誌 2021-09, Vol.25 (1), p.20-28
Hauptverfasser: 飯岡由紀子, 亀井智子, 片岡弥恵子, 高橋恵子, 川上千春, 福島鏡
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「抄録」目的: 本研究の目的は, 看護系大学院修士課程のチームビルディング力育成プログラムの効果を検討することである. 方法: 2012~2019年度の大学院科目チームビルディングを履修し, チームビルディング力育成プログラムに参加した聖路加国際大学看護学研究科院生201人を対象とした. チームビルディング力育成プログラムは, アクティビティを基盤とし, チームによる問題解決方法とチーム形成プロセスを体験的に学ぶプログラムである. 単群前後比較デザインによる質問紙調査にてプログラムの効果を検討した. チームアプローチ評価尺度と相互独立的 - 相互協調的自己観尺度はプログラム前後で調査し, プログラム満足度と自由記載はプログラム実施日ごとに調査した. 聖路加国際大学研究倫理審査委員会の承認を得て行った. 質問紙は無記名とし, 回収箱への投函をもって同意とみなした. 結果: 質問紙は200部回収され(回収率99.5%), 178部が分析対象となった. チームアプローチ評価尺度の得点比較では, 尺度平均値が57.5から73.6へと増加し, 統計的有意差が示された(t = -14.07, p < 0.01). 相互独立的 - 相互協調的自己観尺度では, 下位尺度の [個の認識・主張] の平均値が17.2から18.5に増加し(t = -6.14, p < 0.01), [独断性] は23.4から21.3(t = 5.39, p < 0.01), [評価懸念] は18.7から16.3と減少した(t = 7.65, p < 0.01). 自由記述の質的分析では, 【チームに関する学び】【自分に関する気づき】に関する記述が挙げられていた. 結論: チームビルディング力育成プログラムの効果として, チームが発展したという認識が強くなり, 協調性を保ちながら協働できるようになることが示された. また, チーム形成に関する学びと自分の特性に対する理解が深まり, 自分の役割やチームへの関与について考える機会となった.
ISSN:1344-1922