聖路加看護大学が目指す周麻酔期看護師

「はじめに」看護師の業務拡大, 裁量権の拡大は長年の懸案である. 本来, 医療での必要性, あるいは安全性, 質の向上の視点での議論が中心となるべきであるが, 残念なことに社会的には業務の増大による医療現場の疲弊など, 医師不足の議論の中で取り上げられる場合が多い (厚生労働省, 2010b) . 麻酔科学の歴史は浅く, またこれまで看護師の主体的な関わりが限られた領域である. 手術室内でも, 手術室勤務の看護師による麻酔科医の診療補助は限られており, 専ら外科手術そのもの, あるいは外科医に目が向けられてきた. 一方で米国特有の麻酔看護師制度が断片的に取り上げられるためもあり, 日本の医療で...

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Veröffentlicht in:聖路加看護学会誌 2012-01, Vol.16 (1), p.35-37
Hauptverfasser: 宮坂勝之, 片山正夫
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「はじめに」看護師の業務拡大, 裁量権の拡大は長年の懸案である. 本来, 医療での必要性, あるいは安全性, 質の向上の視点での議論が中心となるべきであるが, 残念なことに社会的には業務の増大による医療現場の疲弊など, 医師不足の議論の中で取り上げられる場合が多い (厚生労働省, 2010b) . 麻酔科学の歴史は浅く, またこれまで看護師の主体的な関わりが限られた領域である. 手術室内でも, 手術室勤務の看護師による麻酔科医の診療補助は限られており, 専ら外科手術そのもの, あるいは外科医に目が向けられてきた. 一方で米国特有の麻酔看護師制度が断片的に取り上げられるためもあり, 日本の医療で看護師が麻酔科医療に果たす役割は大変分かり難い. そのような中, 2010年4月に新たに開講した聖路加看護大学 (以下本学) 修士課程の周麻酔期看護学は, 麻酔科医と協働して麻酔の安全と質の向上を目指す本邦で最初の周麻酔期看護師養成課程である. その背景と教育を概説したい.
ISSN:1344-1922