服薬心理教育に参加した精神分裂病患者の病いと服薬への構えに関する考察
「要旨」本研究の目的は, 服薬心理教育を通して, 精神分裂病患者の病いおよび服薬への構えの変化を分析し, その意味について考察することである. 対象は, 精神科急性期病棟入院中の精神分裂病患者29名であり, 全4回の服薬心理教育グループ参加前後に半構成的面接を行った. 面接では著者ら作成の服薬質問紙とDavid, ASの病識尺度を用いた. そして, 病識尺度の3側面から病識と服薬に対する認識の特徴を類型化し, 参加前後の面接とグループ・プロセスの記録内容を質的に分析した. その結果, 病気であることも服薬の必要性も認めていない患者は, 納得いかない入院体験, 病いであると認めることへの葛藤を抱...
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Veröffentlicht in: | 聖路加看護学会誌 2002-06, Vol.6 (1), p.51-57 |
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Hauptverfasser: | , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「要旨」本研究の目的は, 服薬心理教育を通して, 精神分裂病患者の病いおよび服薬への構えの変化を分析し, その意味について考察することである. 対象は, 精神科急性期病棟入院中の精神分裂病患者29名であり, 全4回の服薬心理教育グループ参加前後に半構成的面接を行った. 面接では著者ら作成の服薬質問紙とDavid, ASの病識尺度を用いた. そして, 病識尺度の3側面から病識と服薬に対する認識の特徴を類型化し, 参加前後の面接とグループ・プロセスの記録内容を質的に分析した. その結果, 病気であることも服薬の必要性も認めていない患者は, 納得いかない入院体験, 病いであると認めることへの葛藤を抱えていた. また, 病気であることは認めないが服薬の必要性を認めている患者は, 服薬を拠りどころ的なものと意味付けたり, 患者役割の受容が服薬への認識に関わっていると考えられた. 今後, 患者がどのような病いや服薬への構えをとっているのかを理解した上で, 患者自らの回復への意思を引き出していくための看護援助を考えていくことが課題となった. |
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ISSN: | 1344-1922 |