皮疹と嚥下機能低下から診断された抗TIF1-γ抗体陽性皮膚筋炎

83歳男性.急に出現した嚥下障害,発熱,咳嗽の症状があり,当院救急外来を受診した.胸部CTで両下葉に浸潤影を認め,誤嚥性肺炎として入院治療を開始した.入院後に,近医でアトピー性皮膚炎として経過観察されてきた皮疹から,皮膚筋炎を疑い,皮膚科紹介となった.ヘリオトロープ疹とゴットロン徴候,血清抗体検査で抗Transcriptional intermediary factor 1-γ(TIF1-γ)抗体陽性から抗TIF1-γ抗体陽性皮膚筋炎と診断した.ステロイドパルス療法,引き続きプレドニゾロンで治療を行ったが,効果は乏しく,皮膚筋炎による筋炎症状は改善しなかった.治療中に敗血症となり,入院53日目...

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Veröffentlicht in:松江市立病院医学雑誌 2021/12/01, Vol.25(1), pp.72-76
Hauptverfasser: 田中, 良明, 武田, 賢一, 新井, 健義, 平山, 勇穀, 龍河, 敏行, 小西, 龍也
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:83歳男性.急に出現した嚥下障害,発熱,咳嗽の症状があり,当院救急外来を受診した.胸部CTで両下葉に浸潤影を認め,誤嚥性肺炎として入院治療を開始した.入院後に,近医でアトピー性皮膚炎として経過観察されてきた皮疹から,皮膚筋炎を疑い,皮膚科紹介となった.ヘリオトロープ疹とゴットロン徴候,血清抗体検査で抗Transcriptional intermediary factor 1-γ(TIF1-γ)抗体陽性から抗TIF1-γ抗体陽性皮膚筋炎と診断した.ステロイドパルス療法,引き続きプレドニゾロンで治療を行ったが,効果は乏しく,皮膚筋炎による筋炎症状は改善しなかった.治療中に敗血症となり,入院53日目に永眠された.今回,皮疹と嚥下機能低下から診断された抗TIF1-γ抗体陽性皮膚筋炎を経験したので報告する.
ISSN:1343-0866
2434-8368
DOI:10.32294/mch.25.1_72