放射線化学療法を受ける食道がん患者の摂食嚥下障害に伴う気持ちの変化と対処方法

食道がんで放射線化学療法を受ける患者は、有害事象が出やすく治療期間も長いため,精神的不安や身体的苦痛が大きい.患者の体調の変化により食事が食べられなくなる場合があり,また患者の気持ちにも変動があり,看護師としての対応に戸惑うことも多い.本研究の目的は,摂食嚥下障害に伴う気持ちの変化と対処方法を明らかにすることであり,放射線化学療法を受けた食道がん患者5 名へ半構成的インタビューを行い,修正版グラウンテッドセオリー・アプローチ法で分析を行った.その結果,治療前から治療後にわたり生成されたカテゴリーは10 カテゴリーで,それらを治療前【病気と向き合う気持ち】・治療中【治療を乗り越えたいという気持ち...

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Veröffentlicht in:松江市立病院医学雑誌 2017, Vol.21(1), pp.25-31
Hauptverfasser: 岡澤, 礼子, 勝葉, 二三, 木村, 理恵, 宇野, 福美
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:食道がんで放射線化学療法を受ける患者は、有害事象が出やすく治療期間も長いため,精神的不安や身体的苦痛が大きい.患者の体調の変化により食事が食べられなくなる場合があり,また患者の気持ちにも変動があり,看護師としての対応に戸惑うことも多い.本研究の目的は,摂食嚥下障害に伴う気持ちの変化と対処方法を明らかにすることであり,放射線化学療法を受けた食道がん患者5 名へ半構成的インタビューを行い,修正版グラウンテッドセオリー・アプローチ法で分析を行った.その結果,治療前から治療後にわたり生成されたカテゴリーは10 カテゴリーで,それらを治療前【病気と向き合う気持ち】・治療中【治療を乗り越えたいという気持ち】・治療後【がんと共生きる前向きな気持ち】のコアカテゴリーとして分類し,結果をストーリーラインの図に示した.これらの結果から,治療前から治療後の気持ちの変化を理解した上で患者の思いを受け止め,対処行動をとることができるように援助をしていくことが重要で,患者自身は,がんを超えて生き抜くための知恵を自分で見つけ出す力を持っており,自分の力でがんと向き合い,自分で行動を起こせるように支援をしていくことが看護師の役割であると考えられた.
ISSN:1343-0866
2434-8368
DOI:10.32294/mch.21.1_25