骨粗鬆症が成人脊柱変形に対する広範囲矯正固定術の中長期臨床成績および再手術に与える影響
はじめに:成人脊柱変形(ASD)の広範囲矯正固定術における,術後中長期の健康関連QOLは,骨粗鬆症の有無で改善度や再手術率に影響を及ぼしている可能性がある.そこで本研究では骨粗鬆症の有無で成人脊柱変形術後の臨床成績と再手術率を比較検討した.方法:2010年~2017年に40歳以上のASDに対して胸椎骨盤矯正固定術を施行し,術後5年以上フォローした症例を解析した.手術時時点で大腿骨頚部T-score -2.5以下もしくは脊椎もしくは大腿骨近位部に既存骨折がある群を骨粗鬆症群と定義した.術前,術後5年のSRS-22r,ODI,術後5年以内の再手術を調査し,骨粗鬆症群とあり群で比較検討した.結果:1...
Gespeichert in:
Veröffentlicht in: | Journal of Spine Research 2024/10/20, Vol.15(10), pp.1234-1242 |
---|---|
Hauptverfasser: | , , , , , , , , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Schlagworte: | |
Online-Zugang: | Volltext |
Tags: |
Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
|
Zusammenfassung: | はじめに:成人脊柱変形(ASD)の広範囲矯正固定術における,術後中長期の健康関連QOLは,骨粗鬆症の有無で改善度や再手術率に影響を及ぼしている可能性がある.そこで本研究では骨粗鬆症の有無で成人脊柱変形術後の臨床成績と再手術率を比較検討した.方法:2010年~2017年に40歳以上のASDに対して胸椎骨盤矯正固定術を施行し,術後5年以上フォローした症例を解析した.手術時時点で大腿骨頚部T-score -2.5以下もしくは脊椎もしくは大腿骨近位部に既存骨折がある群を骨粗鬆症群と定義した.術前,術後5年のSRS-22r,ODI,術後5年以内の再手術を調査し,骨粗鬆症群とあり群で比較検討した.結果:139例(女性125例,平均年齢67.2歳)を解析した.骨粗鬆症群(n=64例,平均年齢69.4歳)と非骨粗鬆症群(n=75例,平均年齢65.4歳)でSRS-22r Functionは,術前平均2.4/2.7が,術後5年時に3.1/3.5に,Painは術前3.1/3.0が,術後5年時に3.7/4.0に,ODIは術前44.1/40.7が,術後5年時には31.3/23.7と両群の全てのドメインで改善した(P<0.001).骨粗鬆症の有無によりSRS-22r FunctionやODIの変化量に有意差はなかったが(P>0.05),SRS-22r Painの変化量は非骨粗鬆症群で有意に良好であった(1.0/0.6,P=0.046).術後5年間における再手術率は骨粗鬆症群/非骨粗鬆症群で40.6%/22.7%,P=0.018であり,骨粗鬆症群で有意に高率であった.再手術ではロッド折損は骨粗鬆症群/非骨粗鬆症群で32.8%/13.3%,P=0.006と,骨粗鬆症群で有意に高率であった.結語:骨粗鬆症をともなったASD患者も矯正固定術により術後5年時点において機能や疼痛は改善した.しかし,骨粗鬆症を伴った患者では広範囲矯正固定術後の疼痛の改善度は低く,ロッド折損等に伴う再手術率が高率であった. |
---|---|
ISSN: | 1884-7137 2435-1563 |
DOI: | 10.34371/jspineres.2024-1005 |