割髄症を合併した先天性側弯症の1例

はじめに:割髄症はまれな疾患であり,特に骨性中隔を伴う場合はその部分で脊髄係留を起こす可能性がある.割髄症を伴う先天性側弯症に対し,矯正固定術を行う際は,矯正操作により脊髄損傷を起こす可能性があり先ず割髄に対する処置を行うことが多い.今回我々はType 1割髄症を伴う先天性側弯症の1例を経験したので報告する.症例:11歳女児.11歳時に学校側弯検診にて側弯症を指摘された.自覚症状はなく,身体学的所見は筋力,知覚共に異常はなかった.画像診断にてCobb角T1-T4-L1:19°,44°の側弯を認めた.またT10からL1の左右椎弓根間の拡大,T9とT10の癒合椎,T11からL1の椎弓形成不全といっ...

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Veröffentlicht in:Journal of Spine Research 2023/11/20, Vol.14(11), pp.1408-1412
Hauptverfasser: 横田, 亮介, 奥田, 貴俊, 野尻, 英俊, 尾原, 裕康, 原, 毅, 高野, 弘充, 石島, 旨章
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:はじめに:割髄症はまれな疾患であり,特に骨性中隔を伴う場合はその部分で脊髄係留を起こす可能性がある.割髄症を伴う先天性側弯症に対し,矯正固定術を行う際は,矯正操作により脊髄損傷を起こす可能性があり先ず割髄に対する処置を行うことが多い.今回我々はType 1割髄症を伴う先天性側弯症の1例を経験したので報告する.症例:11歳女児.11歳時に学校側弯検診にて側弯症を指摘された.自覚症状はなく,身体学的所見は筋力,知覚共に異常はなかった.画像診断にてCobb角T1-T4-L1:19°,44°の側弯を認めた.またT10からL1の左右椎弓根間の拡大,T9とT10の癒合椎,T11からL1の椎弓形成不全といった形態異常を認めた.CTとMRI検査ではL1に骨性中隔によって二分された脊髄を認めた.以上より割髄症を伴う先天性側弯症の診断とし,一期的に手術を行った.手術は脊髄を二分している骨性中隔切除を行い,次に側弯症に対し矯正固定術を行った.手術時間6時間39分,出血50 ml術中術後合併症なく,Cobb角T1-T5-L2:10°,8°に矯正された.結語:①骨性中隔を伴った割髄症を合併した先天性側弯症の1例を経験した.②Type 1割髄症を合併した先天性側弯症でも神経症状がなく,矯正角度が小さい場合は,骨性中隔切除のみにとどめることで,一期的に側弯症手術を低侵襲に行える症例があると思われた.
ISSN:1884-7137
2435-1563
DOI:10.34371/jspineres.2023-1112