Kumu Cloward Lecture,脊椎感染症に対するインストゥルメンテーション

Kumu Cloward Lecture誕生の歴史を紹介し,脊椎感染症に対するインストゥルメンテーションについて概説しました.抗生剤発見以前,脊椎カリエスの前方病巣に手を加えることは「死の門をひらく」と形容されたほど危険でした.そのため,脊椎後方固定による姑息的手術しかありませんでした.前方病巣廓清が一般化するのは抗生剤の登場以降です.その後,前方病巣廓清と同時に,あるいは二期的に後方インストゥルメンテーションを加える方法も登場しました.著者らは,前方病巣に手を加える前に,脊椎後方インストゥルメンテーションを行い,二期的に前方病巣廓清+骨移植を行う方法を確立しました.この方法は,一回目の手術後...

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Veröffentlicht in:Journal of Spine Research 2023/10/20, Vol.14(10), pp.1268-1275
1. Verfasser: 清水, 克時
Format: Artikel
Sprache:jpn
Schlagworte:
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:Kumu Cloward Lecture誕生の歴史を紹介し,脊椎感染症に対するインストゥルメンテーションについて概説しました.抗生剤発見以前,脊椎カリエスの前方病巣に手を加えることは「死の門をひらく」と形容されたほど危険でした.そのため,脊椎後方固定による姑息的手術しかありませんでした.前方病巣廓清が一般化するのは抗生剤の登場以降です.その後,前方病巣廓清と同時に,あるいは二期的に後方インストゥルメンテーションを加える方法も登場しました.著者らは,前方病巣に手を加える前に,脊椎後方インストゥルメンテーションを行い,二期的に前方病巣廓清+骨移植を行う方法を確立しました.この方法は,一回目の手術後ただちに除痛とADL改善が得られて全身状態が良くなり,前方手術が楽に安全にできます.脊椎感染症の手術には,低侵襲手術,一期的手術(前方単独,前方→後方)そして,私たちの二期的手術(後方→前方)があり,それぞれ長所と短所があります.二期的手術法(後方→前方)は慎重な方法で,広範囲,全身状態不良,耐性菌などの悪条件に勧められる安全性の高い手術です.
ISSN:1884-7137
2435-1563
DOI:10.34371/jspineres.2023-1002