血管内治療が有効であった脊髄血管病変の2例

はじめに:近年,中枢神経系血管障害に対する血管内治療の進歩が目覚ましい.今回我々は,血管内治療により根治できた脊髄血管病変の2例を経験したので報告する.症例:【症例1】64歳,男性.頭蓋内くも膜下出血の精査で頚髄硬膜動静脈瘻を認めた.ヒストアクリルを使用してシャント部の塞栓術を施行し,以後,再出血なく経過している.【症例2】40歳,男性.強い後頚部痛の2日後に,右三角筋・上腕二頭筋の筋力低下およびC5領域の疼痛を呈し,精査で頭蓋外椎骨動脈解離を認めた.解離部分が右C5椎間孔に認められ,右C5神経根を圧迫していたため,それによる神経根症と考えられた.保存的加療が無効であり,flow divert...

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Veröffentlicht in:Journal of Spine Research 2023/07/20, Vol.14(7), pp.1061-1066
Hauptverfasser: 松本, 洋明, 松本, 淳志, 宮田, 至朗, 友金, 祐介, 南, 浩昭, 増田, 敦, 山浦, 生也, 吉田, 泰久
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:はじめに:近年,中枢神経系血管障害に対する血管内治療の進歩が目覚ましい.今回我々は,血管内治療により根治できた脊髄血管病変の2例を経験したので報告する.症例:【症例1】64歳,男性.頭蓋内くも膜下出血の精査で頚髄硬膜動静脈瘻を認めた.ヒストアクリルを使用してシャント部の塞栓術を施行し,以後,再出血なく経過している.【症例2】40歳,男性.強い後頚部痛の2日後に,右三角筋・上腕二頭筋の筋力低下およびC5領域の疼痛を呈し,精査で頭蓋外椎骨動脈解離を認めた.解離部分が右C5椎間孔に認められ,右C5神経根を圧迫していたため,それによる神経根症と考えられた.保存的加療が無効であり,flow diverter効果のある脳動脈治療用ステントを留置し,神経根症は速やかに改善した.結語:脊髄血管病変に対する血管内治療は,安全かつ有効な治療と思われる.一方でアクセスルートの評価,正常血管との関係性など術前より綿密な評価および手術計画が必要である.
ISSN:1884-7137
2435-1563
DOI:10.34371/jspineres.2023-0713