脊髄症例も含めた頚椎正中椎間板ヘルニアに対する前方経椎体キーホール切除術:手術適応と手技の工夫について

はじめに:我々は頚椎椎間板ヘルニアに,前方から経椎体経路でキーホールの孔を開け,顕微鏡下にヘルニア切除術を行っている.手術の適応と手技の工夫について報告する.対象および方法:半年以上観察できた23例(男18,女5例,平均49.3歳).手術は前方進入で顕微鏡下に椎体にキーホールを開けヘルニアを切除する.術後の痛み改善と,画像検査で当該椎間板の高さと可動域を調査した.結果:手術は全例,脊柱管内のヘルニア症例であった.頚部と上肢の痛みは大幅に改善した.平均経過観察26ヶ月で1例を除き,椎間板の可動域は保たれ術前とほとんど変化なかった.大きな合併症はなかったが除圧不足2例と血腫1例で再手術が行われた....

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Veröffentlicht in:Journal of Spine Research 2023/07/20, Vol.14(7), pp.992-998
Hauptverfasser: 柴山, 元英, 伊藤, 全哉, 中村, 周, 清水, 賢三, 伊藤, 不二夫, 三浦, 恭志
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:はじめに:我々は頚椎椎間板ヘルニアに,前方から経椎体経路でキーホールの孔を開け,顕微鏡下にヘルニア切除術を行っている.手術の適応と手技の工夫について報告する.対象および方法:半年以上観察できた23例(男18,女5例,平均49.3歳).手術は前方進入で顕微鏡下に椎体にキーホールを開けヘルニアを切除する.術後の痛み改善と,画像検査で当該椎間板の高さと可動域を調査した.結果:手術は全例,脊柱管内のヘルニア症例であった.頚部と上肢の痛みは大幅に改善した.平均経過観察26ヶ月で1例を除き,椎間板の可動域は保たれ術前とほとんど変化なかった.大きな合併症はなかったが除圧不足2例と血腫1例で再手術が行われた.結語:本法は昔からある手術だが,適応が曖昧で普及していなかった.椎間孔のヘルニアは手技的に難しく,脊柱管内のヘルニアが良い適応である.椎間板の可動域を温存でき,人工物も挿入しないので,特に若年者には利点が多い.今研究では2年ほどの観察で,椎間板高は1年に約0.5 mm減少したが,ほとんどの例で椎間板可動域が温存できていた.また本法について我々の手技の工夫も紹介する.
ISSN:1884-7137
2435-1563
DOI:10.34371/jspineres.2023-0703