腰椎分離すべり症では後屈時に硬膜管横径が減少する~脊髄造影CT検査機能写での変化について

はじめに:腰椎分離すべり症における脊髄造影CT検査機能写での脊柱管狭窄の変化について評価したので報告する.対象と方法:2017年7月から2021年5月までに当院で脊髄造影CT検査機能写を行った腰椎分離すべり症患者のうち,狭窄により造影剤が描出されず計測不可能な症例を除外し,9例を対象とした.症例毎に脊髄造影CT検査の前屈時,後屈時で分離部における硬膜管前後径,横径,断面積を計測し,前屈時と後屈時の変化率を計算した.対応のあるt検定を用いて統計学的に解析した(P < 0.05).結果:前後径の平均は前屈時が13.4 mm,後屈時が11.4 mmであった(P = 0.049).横径の平均は前屈時が...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:Journal of Spine Research 2022/08/20, Vol.13(8), pp.1024-1029
Hauptverfasser: 小出, 知輝, 辰村, 正紀, 山路, 晃啓, 長島, 克弥, 江藤, 文彦, 竹内, 陽介, 船山, 徹, 山崎, 正志
Format: Artikel
Sprache:jpn
Schlagworte:
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:はじめに:腰椎分離すべり症における脊髄造影CT検査機能写での脊柱管狭窄の変化について評価したので報告する.対象と方法:2017年7月から2021年5月までに当院で脊髄造影CT検査機能写を行った腰椎分離すべり症患者のうち,狭窄により造影剤が描出されず計測不可能な症例を除外し,9例を対象とした.症例毎に脊髄造影CT検査の前屈時,後屈時で分離部における硬膜管前後径,横径,断面積を計測し,前屈時と後屈時の変化率を計算した.対応のあるt検定を用いて統計学的に解析した(P < 0.05).結果:前後径の平均は前屈時が13.4 mm,後屈時が11.4 mmであった(P = 0.049).横径の平均は前屈時が14.0 mm,後屈時が11.9 mmであった(P < 0.001).断面積の平均は前屈時が168.6 mm2,後屈時が126.7 mm2であった(P < 0.01).いずれも後屈時に有意に縮小していた.前後径より横径の方が縮小の変化率が大きいのは5例であった.結語:今回の腰椎分離すべり症9例のうち5例は,ragged edgeによる左右からの圧迫があり,前後径より横径の方が縮小の変化率が大きかった.矢状断で前後径が保たれていると,横径の縮小を認識せずに脊柱管狭窄を過小評価することがあるため,腰椎分離すべり症の画像評価には注意が必要である.
ISSN:1884-7137
2435-1563
DOI:10.34371/jspineres.2022-0804