デンバー仙腸関節質問票を用いた仙腸関節障害例の機能評価:保存療法群での検討

はじめに:デンバー仙腸関節質問票(DSIJQ)は,仙腸関節部の痛みについて問う形式で,坐位時間や仙腸関節部の不安定性など仙腸関節障害(SIJD)で生じ得る10項目の障害を評価する質問票である.先行研究では,仙腸関節固定術が行われたSIJD例に対して,Roland-Morris-Disability Questionnaire(RDQ)の基準を用いてDSIJQの「臨床的に有意」な最小変化量(MCID)を推定すると,計12点減少(改善度24%以上)がカットオフ値であった.本研究では,SIJD保存療法群におけるDSIJQのMCIDを検討した.対象と方法:令和2年4~12月の期間で仙腸関節ブロックにて...

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Veröffentlicht in:Journal of Spine Research 2022/06/20, Vol.13(6), pp.875-880
Hauptverfasser: 佐々木, 健, 黒澤, 大輔, 村上, 栄一
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:はじめに:デンバー仙腸関節質問票(DSIJQ)は,仙腸関節部の痛みについて問う形式で,坐位時間や仙腸関節部の不安定性など仙腸関節障害(SIJD)で生じ得る10項目の障害を評価する質問票である.先行研究では,仙腸関節固定術が行われたSIJD例に対して,Roland-Morris-Disability Questionnaire(RDQ)の基準を用いてDSIJQの「臨床的に有意」な最小変化量(MCID)を推定すると,計12点減少(改善度24%以上)がカットオフ値であった.本研究では,SIJD保存療法群におけるDSIJQのMCIDを検討した.対象と方法:令和2年4~12月の期間で仙腸関節ブロックにてSIJDと確定診断され,入院で保存療法が行われた17例(男9,女8;平均55.1±15.9歳)を対象とした.調査項目は,DSIJQの信頼性と内的整合性,入退院時におけるDSIJQとRDQ各合計点の平均,両質問票の相関関係,DSIJQのMCID,とした.統計学的有意差はp<0.05とした.結果:DSIJQは信頼性ICC=0.92,内的整合性α=0.97であった.DSIJQの平均点は,入院時27.1,退院時16.1(Δ-11.0),RDQは入院時13.1,退院時9.3点(Δ-3.8)(p<0.05)であった.ΔDSIJQとΔRDQは正の相関関係が認められた(r=0.54,p=0.025).また,DSIJQのMCIDは11点減少(改善度22%以上)であった.結語:SIJDの手術・保存療法において,DSIJQでおおよそ22~24%以上の改善度を得ることが治療効果の目安となりうる.
ISSN:1884-7137
2435-1563
DOI:10.34371/jspineres.2022-0611