Shiraniwa Studyからみた高齢者腰痛の特徴とその対策

我々は2016年8月より都市圏在住65歳以上の高齢者409名を対象に,腰痛を含めた身体症状や,身体機能評価,画像検査からなる観察研究(Shiraniwa Study)を行っている.その横断解析の結果より,高齢者腰痛の独立した関連因子は脊柱インバランス(SVA>95),肥満(BMI≧25.0),既存椎体骨折,不安の強さであり,腰痛対策としてこれらに介入することが有効と考えた.縦断的に脊柱インバランス進行を生じた高齢者の特徴を解析したところ,ロコモ度2は独立した脊柱インバランス進行の予測因子であった.また,経時的にロコモ度が改善した高齢者は体重減少を認めていたことから,減量はロコモ度改善を介して脊...

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Veröffentlicht in:Journal of Spine Research 2022/06/20, Vol.13(6), pp.809-817
Hauptverfasser: 大山, 翔一朗, 高橋, 真治, 星野, 雅俊, 堀, 悠介, 藪, 晋人, 辻尾, 唯雄, 竹内, 雄一, 寺井, 秀富, 中村, 博亮
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:我々は2016年8月より都市圏在住65歳以上の高齢者409名を対象に,腰痛を含めた身体症状や,身体機能評価,画像検査からなる観察研究(Shiraniwa Study)を行っている.その横断解析の結果より,高齢者腰痛の独立した関連因子は脊柱インバランス(SVA>95),肥満(BMI≧25.0),既存椎体骨折,不安の強さであり,腰痛対策としてこれらに介入することが有効と考えた.縦断的に脊柱インバランス進行を生じた高齢者の特徴を解析したところ,ロコモ度2は独立した脊柱インバランス進行の予測因子であった.また,経時的にロコモ度が改善した高齢者は体重減少を認めていたことから,減量はロコモ度改善を介して脊柱インバランス進行の抑制に寄与する可能性があると考えられた.減量は高齢者腰痛の関連因子である,肥満,脊柱インバランスの両者に影響することから,有効な高齢者腰痛対策となり得ると注目している.
ISSN:1884-7137
2435-1563
DOI:10.34371/jspineres.2022-0602