脊椎固定術後に椎弓根骨折を生じ早期再手術を要した3例

はじめに:脊椎固定術の椎弓根骨折は合併症のひとつであるが,早期に再手術を必要とする事は稀である.今回,我々は脊椎固定術後に,固定端の椎弓根骨折を起こし早期に再手術を施行した3例を経験したので報告する.症例1:72歳男性.腰部脊柱管狭窄症に対しL2-4 TLIFを施行し,術後7日左下肢痛が再燃した.CTにてL2/3のケージの脱転を認めたため再手術を施行したが,術中に左L2椎弓根骨折が判明した.スクリュー径のサイズアップにより対処した.症例2:79歳男性.第12胸椎圧迫骨折後の偽関節に対してTh9-L5の除圧固定術を施行.術後20日,左大腿痛が再燃した.CTで両側L5椎弓根の骨折が判明し,腸骨まで...

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Veröffentlicht in:Journal of Spine Research 2022/04/20, Vol.13(4), pp.712-719
Hauptverfasser: 大島, 和馬, 両角, 正義, 村本, 明生, 松原, 祐二
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Zusammenfassung:はじめに:脊椎固定術の椎弓根骨折は合併症のひとつであるが,早期に再手術を必要とする事は稀である.今回,我々は脊椎固定術後に,固定端の椎弓根骨折を起こし早期に再手術を施行した3例を経験したので報告する.症例1:72歳男性.腰部脊柱管狭窄症に対しL2-4 TLIFを施行し,術後7日左下肢痛が再燃した.CTにてL2/3のケージの脱転を認めたため再手術を施行したが,術中に左L2椎弓根骨折が判明した.スクリュー径のサイズアップにより対処した.症例2:79歳男性.第12胸椎圧迫骨折後の偽関節に対してTh9-L5の除圧固定術を施行.術後20日,左大腿痛が再燃した.CTで両側L5椎弓根の骨折が判明し,腸骨までの固定延長を行った.症例3:72歳女性.パーキンソン病を伴う腰椎変性側弯症に対して,L1-5の矯正固定術を施行.術後13日右下肢痛が再燃した.L5/Sの椎間孔病変を疑い,再手術を施行したが,術中に右L5椎弓根の骨折が判明し,腸骨までの固定延長を行った.結語:腰椎固定術術後の新たな下肢痛は椎弓根骨折によるものの可能性がある.CTでも骨折の診断は難しく,その可能性を考慮して対処する必要がある.
ISSN:1884-7137
2435-1563
DOI:10.34371/jspineres.2022-1206