骨脆弱性を伴った脊椎固定術後偽関節症例に対して同種骨によるaugmentationと腓骨による終板補強を行った治療経験

骨粗鬆症症例における脊椎固定術では,骨質の低下により術後の偽関節率が高い.偽関節症例に対する再建手術に関して有効な方法は確立されておらず,治療に難渋する.我々は,pedicle screw(以下PS)に対して同種骨を用いた経椎弓根的impaction allogenic bone graftによりPSの支持力を向上させ,偽関節部の損傷した椎体終板に加工した腓骨を設置することで終板を補強し,新たに設置するインプラントの沈み込みを防いでいる.これらの工夫により矯正損失なく骨癒合が得られた5症例を経験した.疾患は透析性破壊型脊椎症3例,骨粗鬆症性椎体骨折1例,化膿性脊椎炎1例,性別は男2例,女3例,...

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Veröffentlicht in:Journal of Spine Research 2022/04/20, Vol.13(4), pp.689-696
Hauptverfasser: 則竹, 洋和, 鈴木, 喜貴, 飛田, 哲朗, 安藤, 智洋, 鵜飼, 淳一, 佐藤, 公治
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:骨粗鬆症症例における脊椎固定術では,骨質の低下により術後の偽関節率が高い.偽関節症例に対する再建手術に関して有効な方法は確立されておらず,治療に難渋する.我々は,pedicle screw(以下PS)に対して同種骨を用いた経椎弓根的impaction allogenic bone graftによりPSの支持力を向上させ,偽関節部の損傷した椎体終板に加工した腓骨を設置することで終板を補強し,新たに設置するインプラントの沈み込みを防いでいる.これらの工夫により矯正損失なく骨癒合が得られた5症例を経験した.疾患は透析性破壊型脊椎症3例,骨粗鬆症性椎体骨折1例,化膿性脊椎炎1例,性別は男2例,女3例,平均年齢70.8歳であった.全例で骨癒合が得られ,骨癒合までの平均期間は5.4ヶ月であった.本法は骨脆弱性を伴った脊椎固定術後偽関節に対する再建方法として有用であるのみならず,骨粗鬆症症例における脊椎固定術においても有用な方法となりうる可能性がある.
ISSN:1884-7137
2435-1563
DOI:10.34371/jspineres.2022-1202