PES法を用いて固定を行ったDISHを伴う胸腰椎椎体骨折の小経験―経過不良例を鑑みた適応に対する考察

はじめに:DISHを伴う胸腰椎椎体骨折は骨性架橋の存在により骨折部に力学的ストレスがかかりやすく,長範囲に固定するなど工夫が必要である.近年,椎体終板を貫くPenetrating Endplate Screw(PES)法が考案され,良好な固定力や成績が報告されてきた.本症例報告の目的は当院でPES法を用いた3例の手術成績を報告するとともにPES法の適応について考察することである.症例:スクリューはDISH架橋椎体にはPES法で,非DISH架橋椎体には従来のpedicle screw(PS)軌道で設置した.2例は経過良好であったが,1例は術後1週で固定最尾側L2のスクリューの引き抜きが生じ,次第...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:Journal of Spine Research 2021/10/20, Vol.12(10), pp.1257-1263
Hauptverfasser: 山田, 賢太郎, 尾崎, 友則, 中村, 博亮
Format: Artikel
Sprache:jpn
Schlagworte:
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:はじめに:DISHを伴う胸腰椎椎体骨折は骨性架橋の存在により骨折部に力学的ストレスがかかりやすく,長範囲に固定するなど工夫が必要である.近年,椎体終板を貫くPenetrating Endplate Screw(PES)法が考案され,良好な固定力や成績が報告されてきた.本症例報告の目的は当院でPES法を用いた3例の手術成績を報告するとともにPES法の適応について考察することである.症例:スクリューはDISH架橋椎体にはPES法で,非DISH架橋椎体には従来のpedicle screw(PS)軌道で設置した.2例は経過良好であったが,1例は術後1週で固定最尾側L2のスクリューの引き抜きが生じ,次第にゆるみが大きくなりL2根症状を呈し経過不良であった.経過不良であった1例はDISH架橋椎体最尾側の骨折であり,PES法を2aboveに従来のPSを2belowに設置していた.結語:経過不良の1例は脊椎アンカーの固定力に頭尾側で差があった事が原因と推察された.DISH架橋椎体内の骨折にはPES法は有用であるが,DISH非架橋椎体にも固定を行う必要のある症例に対しては,非架橋椎体の固定法の工夫が必要である.
ISSN:1884-7137
2435-1563
DOI:10.34371/jspineres.2021-1007