コロナ禍における基礎看護学実習の代替策としたシミュレーション演習の取り組み - 模擬患者の状況に合わせて段階的に看護過程を展開した学生の学び

「目的」:本研究の目的は, 基礎看護学実習の代替策としたシミュレーション演習において, 模擬患者の状況に合わせて段階的に看護過程を展開した学生の学びを明らかにすることである. 「方法」:5日間の看護過程を学内シミュレーション演習において履修することになった2年次学生82名を対象とした. 演習のまとめで用いたグループ発表資料を質的帰納的に分析した. 「結果」:82名に研究協力を依頼し, 同意を得られた学生は32名(39.0%)であった. 分析対象はグループ課題とした発表資料であるため, 構成メンバー全員から同意を得られた3グループ18名を分析対象とした. 学内シミュレーション演習に参加することで...

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Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:千葉看護学会会誌 2024-08, Vol.30 (1), p.51-60
Hauptverfasser: 飛世真理子, 斉藤しのぶ
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「目的」:本研究の目的は, 基礎看護学実習の代替策としたシミュレーション演習において, 模擬患者の状況に合わせて段階的に看護過程を展開した学生の学びを明らかにすることである. 「方法」:5日間の看護過程を学内シミュレーション演習において履修することになった2年次学生82名を対象とした. 演習のまとめで用いたグループ発表資料を質的帰納的に分析した. 「結果」:82名に研究協力を依頼し, 同意を得られた学生は32名(39.0%)であった. 分析対象はグループ課題とした発表資料であるため, 構成メンバー全員から同意を得られた3グループ18名を分析対象とした. 学内シミュレーション演習に参加することで得られた学生の学びを分析した結果, 83コード, 22サブカテゴリ, 10カテゴリを抽出した. 10カテゴリとは, 「全体像把握に向けた多面的な情報収集」「身体的側面への着目による看護ニーズの捉え直し」「日々変化する健康状態の把握困難に伴うアセスメントの重要性認知」などである. 「考察」:学生は事前に提供された文字による患者情報から病状や回復の状態をイメージできるものの, 演習中に患者の身体状態が変化すると, その意味が学生自身では判断できず, 観察の視点や自立度がどう変わるのかなどの理解が困難になったと考えられた. しかし, 学生は看護の必要性を正しく認識するためには, 患者の変化に応じて全体像を更新しアセスメントすることの重要性を学ぶことができたと考えられた.
ISSN:1344-8846