倦怠感のある終末期がん患者に関わる家族の体験

本研究の目的は, 倦怠感のある終末期がん患者に関わる家族の体験を明らかにし, 倦怠感のある終末期がん患者に対する家族を含めた看護支援を検討することである. 家族5名を対象に半構造化面接を行い, 患者に関する情報は記録調査を行った. 面接内容を質的帰納的に分析したところ, 【倦怠感により患者の体力や気力がこれまでとは一変していると実感する】【倦怠感がありながらも日常生活を調整し, これまでの立場を維持しようと努めていると思う】【治療経過や現在直面している状況から倦怠感の原因を考える】【患者の安寧を第一に考え, できることは何でもしようと奮闘する】【倦怠感を緩和しようと試行錯誤するが, 太刀打ちで...

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Veröffentlicht in:千葉看護学会会誌 2022-02, Vol.27 (2), p.39-47
Hauptverfasser: 田代理沙, 土井英子, 増島麻里子
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:本研究の目的は, 倦怠感のある終末期がん患者に関わる家族の体験を明らかにし, 倦怠感のある終末期がん患者に対する家族を含めた看護支援を検討することである. 家族5名を対象に半構造化面接を行い, 患者に関する情報は記録調査を行った. 面接内容を質的帰納的に分析したところ, 【倦怠感により患者の体力や気力がこれまでとは一変していると実感する】【倦怠感がありながらも日常生活を調整し, これまでの立場を維持しようと努めていると思う】【治療経過や現在直面している状況から倦怠感の原因を考える】【患者の安寧を第一に考え, できることは何でもしようと奮闘する】【倦怠感を緩和しようと試行錯誤するが, 太刀打ちできないと感じる】【倦怠感のある患者に対する薬剤や医療者の関わり方を期待する】【家族自身の安寧を守ろうとする】の7つのコアカテゴリーに集約された. 結果より, 倦怠感のある終末期がん患者に関わる家族の体験には, "これまでの患者と現在の患者を総括して倦怠感のある患者を捉えようとする体験", "倦怠感のある患者の安寧を追求し自ら奮闘する体験", "患者を支援しながら自身の安寧を守ろうとする体験"の3つの特性が明らかとなった. 看護支援として, 倦怠感がありながらも役割を維持しようとしている患者を理解することや, これまでの治療経過に対する患者と家族の思いを理解し, 終末期の過ごし方を考えることを支援することが必要であると考えられる.
ISSN:1344-8846