がん患者の在宅療養移行期を支える就労中の家族員の体験
目的: がん患者を支える就労中の主たる家族員が, 患者の入院中から退院後の療養生活を通して患者の生活を支えながら抱く体験を明らかにし, 在宅療養移行期に就労中の家族員に必要な看護支援の示唆を得ることである. 方法: 地域がん診療連携拠点病院の退院支援・退院調整部門が関わり, 患者が今後在宅療養することが決定しているがん患者の就労中の家族員5名を対象として半構造化面接をおこなった. 得られたデータは質的帰納的に分析した. 結果: 1. 状態の変化や再発の予測がつかないがん患者の在宅療養に合わせた自分の仕事や生活の調整, 2. がん患者に関わる情報不足の受容と日々変化する可能性がある患者の療養生活...
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Veröffentlicht in: | 千葉看護学会会誌 2021-09, Vol.27 (1), p.33-42 |
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Hauptverfasser: | , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 目的: がん患者を支える就労中の主たる家族員が, 患者の入院中から退院後の療養生活を通して患者の生活を支えながら抱く体験を明らかにし, 在宅療養移行期に就労中の家族員に必要な看護支援の示唆を得ることである. 方法: 地域がん診療連携拠点病院の退院支援・退院調整部門が関わり, 患者が今後在宅療養することが決定しているがん患者の就労中の家族員5名を対象として半構造化面接をおこなった. 得られたデータは質的帰納的に分析した. 結果: 1. 状態の変化や再発の予測がつかないがん患者の在宅療養に合わせた自分の仕事や生活の調整, 2. がん患者に関わる情報不足の受容と日々変化する可能性がある患者の療養生活への不安や戸惑い, 3. 周囲からの支えに対する感謝と自ら支援を求める難しさの共存, 4. 家族員の生活の維持とがん患者の療養生活への対峙と迷い, 5. 家族員の原動力となる社会的役割への価値観と患者と家族員との相互作用の5つの体験の本質が明らかとなった. これらの結果と考察から導きだされた看護支援として, 看護師は家族員ががん患者の療養支援と仕事を両立していることに配慮し, 今後の治療・生活・患者の状態についてできる限りイメージできるように関わることが重要である. また, 患者と家族員の生活の在り様に寄り添いながら, 家族員が長年築き上げてきた患者との関係性や価値観により患者をどのように捉え, 支えているのかを明らかにしながら関わっていくことが重要となることが示唆された. |
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ISSN: | 1344-8846 |