青年期初期から看護を志向する看護学生の対人関係の形成と自我状態の透過性調整力との関連
本研究の目的は, 看護学生の対人関係の形成と, PCエゴグラムを用いて評価した自我状態の透過性調整力(以下PC)との関連について明らかにすることである. 対象者は看護専攻科の看護学生33名中31名で, コミュニケーションの対人関係の形成の評価には3つの因子で構成される対象-看護者評価尺度(以下CNRS)を用いた. CNRSは14日間の基礎看護学実習の3日目, 7日目, 実習最終日の計3回実施し, 対象者をPCの得点に基づいてPC高値群, PC低値群に分けて分析した. 主な結果は, PC高値群はPC低値群と比べて大人の自我状態(A), 自由な子どもの自我状態(FC)は, 有意に高く, 養育的な親...
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Veröffentlicht in: | 千葉看護学会会誌 2016-08, Vol.22 (1), p.43-51 |
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Hauptverfasser: | , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 本研究の目的は, 看護学生の対人関係の形成と, PCエゴグラムを用いて評価した自我状態の透過性調整力(以下PC)との関連について明らかにすることである. 対象者は看護専攻科の看護学生33名中31名で, コミュニケーションの対人関係の形成の評価には3つの因子で構成される対象-看護者評価尺度(以下CNRS)を用いた. CNRSは14日間の基礎看護学実習の3日目, 7日目, 実習最終日の計3回実施し, 対象者をPCの得点に基づいてPC高値群, PC低値群に分けて分析した. 主な結果は, PC高値群はPC低値群と比べて大人の自我状態(A), 自由な子どもの自我状態(FC)は, 有意に高く, 養育的な親の自我状態(NP)が有意な傾向であった. PC高低値群別とCNRSの比較では, PC高低値群のどちらにも3回とも有意な差はなかった. しかし, PC高値群の「人間的信頼性」は, 1回目, 2回目, 3回目の全てに, 「威圧感」, 「専門性」は, 3回目に小さい効果がみられた. また, PC高値群は, 1回目, 2回目, 3回目ともに「人間的信頼性」と「専門性」に正の相関があり, PC低値群は, 2回目, 3回目に「人間的信頼性」と「専門性」に正の相関がみられた. 以上のことからPC高値群のコミュニケーションの対人関係の形成は, 特に「人間的信頼性」に関連していたことが示唆された. |
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ISSN: | 1344-8846 |