大学院看護学研究科博士後期課程に在籍する学生の博士論文作成過程の経験

研究目的は, 大学院看護学研究科博士後期課程に在籍する学生の博士論文作成過程の経験を解明し, 博士論文指導に向けての示唆を得ることである. 研究方法論に看護概念創出法を適用した. 大学院看護学研究科博士後期課程に在籍し, 博士論文を完成し修了, 博士の学位を取得した者12名を対象に半構造化面接法を用いてデータを収集した. 収集したデータを質的帰納的に分析した結果, 博士論文作成過程の学生の経験を表す23概念が創出された. 研究の信用性は, 共同研究者間の検討を通して確保した. 23概念とは, 【計画に沿った研究推進と推進途上での研究計画余儀なき変更】, 【問題発生による研究への専念不可と問題放...

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Veröffentlicht in:千葉看護学会会誌 2015-09, Vol.21 (1), p.33-42
Hauptverfasser: 中山登志子, 舟島なをみ, 定廣和香子, 横山京子, 松田安弘, 鈴木美和, 野本百合子, 山下暢子, 山澄直美, 亀岡智美
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:研究目的は, 大学院看護学研究科博士後期課程に在籍する学生の博士論文作成過程の経験を解明し, 博士論文指導に向けての示唆を得ることである. 研究方法論に看護概念創出法を適用した. 大学院看護学研究科博士後期課程に在籍し, 博士論文を完成し修了, 博士の学位を取得した者12名を対象に半構造化面接法を用いてデータを収集した. 収集したデータを質的帰納的に分析した結果, 博士論文作成過程の学生の経験を表す23概念が創出された. 研究の信用性は, 共同研究者間の検討を通して確保した. 23概念とは, 【計画に沿った研究推進と推進途上での研究計画余儀なき変更】, 【問題発生による研究への専念不可と問題放置による研究への専念】, 【研究者役割と社会人役割の並進と並進困難】, 【国内外の研究者との交流によるさらなる学習の必要性認知と論文完成への意欲喚起】, 【審査結果への理不尽さ認知による反論不可下での理不尽さの余儀なき受け入れ】, 【研究遂行に向けた教員指導受理と指導受理不可による独力研究遂行】などである. 考察を通して, わが国の看護系大学院博士後期課程教育の質向上に向け, 次の示唆を得た. 第1に, 論文作成過程に遭遇する困難克服に有用な支援システムを構築するとともに, 研究継続に必要な学習機会を提供する. 第2に, 教員個々が研究活動を継続し, 指導能力の向上を図る. 本研究の成果は, 博士論文を指導する教員が, 学生を理解しその理解に基づき効果的な学習支援に向け活用できる.
ISSN:1344-8846