予防活動を持続的に展開するための地域看護実践方法の特徴

本研究の目的は, 予防活動を持続的に展開し成果を挙げた地域看護実践における持続・発展の様相から, 予防活動を持続的に展開する実践方法の特徴を明らかにすることである. 方法は, A県内の全保健所及び全市区町村の保健衛生部門(59か所)に研究者が作成した自記式質問紙調査にて「3年以上持続的に行われ, かつ予防活動としての成果の手応えを主担当保健師が感じている保健事業」について尋ねた. 回答のあった34か所のうち, 自由記載の記述から, 事業を始めた時と現在で事業目的や活動方法が変化している内容の読み取れた事例を分析対象とした. 持続・発展の様相は, 収集したデータより活動の経過に沿いながら事業目的...

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Veröffentlicht in:千葉看護学会会誌 2014-01, Vol.19 (2), p.73-80
Hauptverfasser: 飯野理恵, 宮崎美砂子, 石丸美奈, 岩瀬靖子, 時田礼子, 杉田由加里, 上田修代, 佐藤紀子
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:本研究の目的は, 予防活動を持続的に展開し成果を挙げた地域看護実践における持続・発展の様相から, 予防活動を持続的に展開する実践方法の特徴を明らかにすることである. 方法は, A県内の全保健所及び全市区町村の保健衛生部門(59か所)に研究者が作成した自記式質問紙調査にて「3年以上持続的に行われ, かつ予防活動としての成果の手応えを主担当保健師が感じている保健事業」について尋ねた. 回答のあった34か所のうち, 自由記載の記述から, 事業を始めた時と現在で事業目的や活動方法が変化している内容の読み取れた事例を分析対象とした. 持続・発展の様相は, 収集したデータより活動の経過に沿いながら事業目的や活動方法の変化とそれに影響を与えた事柄を読み取り導き出した. 倫理的配慮として研究者所属機関の倫理審査委員会にて承認を受けた. その結果, 分析対象事例は, 母子に関する取り組み4事例, 成人に関する取り組み5事例であり, 活動年数は平均8.7年(3~32年)であった. 予防活動の持続・発展の様相としては, 事業目的の変化が2事例, 活動方法の変化が7事例であった. また, 予防活動の持続・発展に影響を与えたと考えられる事柄としては, 「予算の確保」「人員の確保」「個別の援助ニーズの多様性」「事業参加者の確保」「当初の事業目的の達成」「関係機関との連携・協力体制」があった. 予防活動を持続的に展開する実践方法の特徴として, 1.他部門・住民や関係機関と定期的に対面することで連携を強化し, 課題を共有しつつ役割を主体的に発揮する, 2.地域のニーズに合わせて事業目的や活動方法を見直し, 焦点をあてる対象集団を明確化する, 3.活動の現状にとどまることなく, 次の段階を意識し活動を展開する, 4.長期的な視点から, 健康づくりに取り組む住民を計画的に育成する, が明らかになった.
ISSN:1344-8846