寛解または低疾患活動性にある関節リウマチ患者の健康状態の推移と生活調整の特徴

本研究の目的は, 寛解または低疾患活動性にある関節リウマチ(RA)患者の健康状態の推移と生活調整の特徴を明らかにし, 看護の示唆を得ることである. 外来通院中の寛解または低疾患活動性にあるRA患者8名を対象に, 外来診療録と半構造化面接によりデータを収集し, 発症前から現在までの健康状態と生活調整を示す事実を時間軸に沿って整理し, 統一体としての調和の乱れに着目し分析した結果, 以下の特徴を抽出した. 1. RA発症に至るプロセスには, 出産後や更年期といった女性ホルモンの分泌が変動しやすい時期に, 社会的/家庭内役割を担う過程で, 不規則な生活リズムや睡眠・必須栄養素の不足, ライフイベント...

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Veröffentlicht in:千葉看護学会会誌 2014-01, Vol.19 (2), p.1-9
Hauptverfasser: 中村愛, 永田亜希子, 山本利江
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:本研究の目的は, 寛解または低疾患活動性にある関節リウマチ(RA)患者の健康状態の推移と生活調整の特徴を明らかにし, 看護の示唆を得ることである. 外来通院中の寛解または低疾患活動性にあるRA患者8名を対象に, 外来診療録と半構造化面接によりデータを収集し, 発症前から現在までの健康状態と生活調整を示す事実を時間軸に沿って整理し, 統一体としての調和の乱れに着目し分析した結果, 以下の特徴を抽出した. 1. RA発症に至るプロセスには, 出産後や更年期といった女性ホルモンの分泌が変動しやすい時期に, 社会的/家庭内役割を担う過程で, 不規則な生活リズムや睡眠・必須栄養素の不足, ライフイベントに伴うストレスといった生活条件があった. 症状悪化を繰り返すケースは, 発症に至る生活がパターンとして現れた. 2. 関節症状が出現し医療機関を受診するが, 検査所見が診断基準に達しない為に, 今まで通りの生活を続け炎症反応が持続して関節組織の損傷が進んだ段階で診断を受けていた. 3. 寛解または低疾患活動性を維持している時期の判断規準には, "生活と症状変動との関連" "生活調整による症状の改善" "体調管理と役割遂行の両立"があった. 悪化を繰り返す時期の判断規準には, "自覚症状の有無" "症状悪化時は薬物で調整" "体調管理より役割遂行/価値観/生活習慣"があった. 以上より, ライフサイクルの節目に応じた健康管理の普及を基本として, 寛解または低疾患活動性にあるRA患者であっても, 発症に至った個別な生活条件の見直しと, 免疫反応発生の予防かつ組織修復を促す生活調整を促進する判断規準を培う支援の充実が課題であるとの示唆を得た.
ISSN:1344-8846